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サクラサク 「風花」エキストラ

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シーン#5 「陸橋に座り込んでビールを飲む廉司」
 夕闇がせまり、肌寒くなってきました。薄着の大渕はブルブルです。このシーンから照明が入るようで、セッティングが進みます。通路にも花びらが撒かれ、下校の中学生が急遽通行人のエキストラとして呼び止められます。が、なかなか撮影は始まらない。どうやら日が落ちるのを待っているようです。王子様はコートの上からロングのダウンを羽織られ、階段の中腹でじっと待機しておられます。吹きさらしの、電車もうるさい陸橋の上にずっと軟禁状態。ご苦労様です。けなげな王子様のお姿に、徹夜で順番取りをする浅野フリークスの姿が重なってしまいましたわ。
 「何か温かい飲み物でもお持ちしましょうか?」と若いスタッフ殿。えっ!?あの、そんなことよりも......限界なんですぅ!ナビ氏の許可をいただき、旅立つ私達。なーんと、王子様のいらっしゃる陸橋を渡れとのご指示。どういう顔をして通ればいいの?なんて恥じらってる余裕はもうなく、夢中で指定のビリヤード場へ。ここが撮影隊の御用達(これがホントのゴヨウタシ)になっているらしく、快く貸していただけました。あー!助かった。
 無事持ち場に戻ると、ナビ氏が待っていて。今日はもうエキストラの出番はないけれど、見学は全然OKとのこと。記念の風花グッズ(地味?)をいただいて、なおも居残る二人。コーヒーを出してくださったスタッフのお嬢さんが「××さんのご関係の方ですか?」と丁重に問う。すいませーん!全然関係ない見学者なんです。
 待ちに待って、ようやく日も落ち、撮影再開。花びらが積もる陸橋に座り込んで、だらしなくビールを飲み続ける王子様の前を中学生のグループが二人、三人と過ぎて行きます。熟女(?)には目もくれなかった監督が、中学生には嬉しそうに演技指導などなさっています。ヤングがお好きなのか、夜型なのか...。

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更新:2001.11.09(金)
obuchi@yk.rim.or.jp