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サクラサク 「風花」エキストラ

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  ほどなく撮影開始。

シーン#1 「線路沿いを歩く廉司(1)」 (注:No.、タイトルとも仮名)
 前線前の道にて。王子様の5m前方には対面で俳優氏のサラリーマン、5m後方にはお背中を見つめる大渕&Y嬢の仲良し二人組みがスタンバイ。カメラは王子様を正面から捕らえます。エキストラの王道「通行人」という奴ですね。王子様が歩き始めたら、エキストラも歩き始めるのです。私達二人はおしゃべりをしながら歩けとのこと。浅野フリーク仲間で良かった。王子様との距離はそれ以上詰めるなとのご注意ですが、ご安心ください、コンパスが違います。
 昨夜も遅かったのか、王子様は待ち時間にしきりにアクビをなさっています。現場は公道ですから、一般の住民の方も通るのです。その度にさりげなく横を向いてお顔を隠す王子様。でもオバちゃんたちはきっと王子様をご存知ありませんわ。
 テストなしでいきなり本番。スタート!カットがかかってもう1度。体育会系教育を受けてきた世代の私達は、王子様に追いつかれないように駆け足で持ち場に戻ります。楽しくてスキップしちゃうぞ。何度でもやりたいわ。結局、4テイクでOK。あーっ、終わりかぁ。


シーン#2 「線路沿いを歩く廉司(2)」
 ナビ氏曰く「次のシーンにエキストラの出番はないので、ご見学ください。」えっ!まだ出番があるの?見学してもいいの?ちょーラッキー!女性スタッフの方からは冷たいお茶とかキャンデーまでいただいてしまって、そんな、素人ですのに、恐れ入ります。
 今度は薬局の前にレールが敷かれ、カメラは歩く王子様と並走。後ろからはマイクの竿が付いていきます。前のシーンと同じように歩いてきた王子様は立ち止まり、フェンスの金網にしがみついて、眼下を走る電車を見やります。王子様のネクタイにも小型マイク。何を録音するのかしら?セリフないみたいだし。と思ったら、「電車」の音なのですね。今日の撮影では電車もまた重要なアイテムのようで、各シーンの最後には必ず電車に重点を置いたテイクが撮られます。

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更新:2001.11.09(金)
obuchi@yk.rim.or.jp