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渋谷も濡れる 「水の女」封切舞台挨拶

3回目上映後の巻


司会 まずはお一人ずつ、ご来場いただきました皆様にご挨拶をお願いします。まずはUAさんから。

UA こんばんは!元気ですか?みんな。どうもありがとうございます。ハイ。

浅野 えーと、皆さんありがとうございます。これは、皆さん見た後なんですよね?あの、そうですね、1回目見終わった人がすごい静かだった(笑)ので、今回の人はすごい変わってるけど、元気があるんのでちょっと嬉しいです。ありがとうございました。

杉森 えっと、来ていただいて、どうもありがとうございます。今日来ていただいた方は初日で、整理券わざわざ並ばれたりとかした方だと思うので、あの、かなりこの映画をすごい楽しみに待っていただいていた方だと思います。楽しんでいただけたかどうか(笑)よくわかりませんけども、えー、広めてください。

司会 ありがとうございました。
それではここでお一人ずつ質問をさせていただきたいと思います。まずはUAさんから。

UA はい。

司会 え、「水の女」ということで、舞台は銭湯。かなり、あのこう水に濡れるシーンが多かったと思うんですけど、特に印象的だったのが、私なんかも、浅野さんとの浴槽でのシーンなんですけども、お水がけっこう、温かくなかったという話をうかがっていますが、あれは苦しくなかったんですか?水の中で。

UA そうですね、ぬるーい感じで。時折熱湯がこうじわーっと来るときもあったんですけど。うーん、まぁ、ぐるぐる、そんな全然ロマンチックなことではなくて

浅野 (笑)

UA 「ハイッ、ハイッ、ハイッ」って言われてながら回って、間にこう「吸う!、吐く!、吸う!、吐く!」だったので、ヘンでした。

司会 けっこう裏話というのは、色々と大変だったんですね。「吸う、吐く、吸う、吐く」じゃないですけど、実際、見るほどロマンチックじゃないというか、色々と苦労話もあったりして。

UA そうですね。

司会 他にもオープニングの方で、天を仰ぐシーンがあったじゃないですか?

UA 天を仰ぐ?こういう感じで、はい。

司会 雨が目に入らないかと、一人心配してたんですけど。

UA あぁ、入りましたね。鼻にも入ってるし、そうですね。

司会 でも、実際こう見終わった後、やって良かったなっていう気持ちは?

UA はい。

司会 報われたかなぁと?

UA 報われましたよぉ。

杉森 (笑)

司会 素晴らしい!素敵な映画をありがとうございます。UAさんでした。
続きましては浅野さんです。この映画「水の女」で浅野さんは火の男を演じていらっしゃいますが、浅野さんご自身の性格を分析されるとしたら、まぁ火、水、風、地とありますけれども、いかがでしょう?

浅野 何でしょう?「土」くらいの感じですかね。激しくないすから。

司会 その心は?

浅野 いやいや、もう寝てる方がいいんで、地に着いてる感じがして。ええ。

司会 お風呂はお好きなんですか?

浅野 お風呂は好きですけどね。

司会 長風呂の方?

浅野 まぁねって、何の話なんですか?(笑)

司会 銭湯はご自身で行かれたりは?

浅野 行きました。最近はあんまり行かないですけど、小さい頃は行きましたね。

司会 今回役作りのために、ロケハンってことは?

浅野 えー、あの人別に銭湯に興味がある人じゃないと思いますから(笑)、行かなかったですけどね、ええ。

司会 まぁぜひ皆さん、ご覧になった後、ちょっと足を運んでみたら、この世界がまたさらに深くわかるかもしれません。ありがとうございました。浅野忠信さんでした。
続きましては、杉森秀則監督です。今回は脚本も監督が書かれたということなんですが、そもそもこのお話しを書くことになったきっかけというか、どういったひらめきからこの「水の女」というお話が生まれたんでしょうか?

杉森 あの元々、なんて言うんですかね、雨女とか雨男っていうキャラクターにすごく興味があって、ま、世界中で日本にしかないキャラクターですし、ま、普通は嫌がられる存在だと思うんですけど、なんか、あの僕の感じだと、なんか天と会話ができるっていうかね、天とコミュニケーションができる人間のイメージがすごくあって、でいつかそういうものを脚本にしたいなと思ってたときに、たまたまUAの雑誌のインタビューを読んで、自分がすごい雨女だって書いてあったから、あ、じゃあUAを主役で雨女の話を書くと、面白いものが書けるかなと思って、で、勝手にUA宛に書いて、ま、頼まれたわけでもなんでもないんですけど、で、完成したものを事務所に持って行って、読んでいただいたという感じですね。

司会 その際の相手役を浅野さんに選ばれた理由は?

杉森 あの、まぁUAと、UAの持っているすごい存在感というかエネルギーみたいなものに張り合うだけの演技力ってのじゃなくて、同じ位やっぱり存在感のある男性を探してたんですけども、まぁ、けど、すぐ、やっぱこういう役は浅野君にしかできないなと。ま、本人土だとかなんかモグラみたいなこと言ってますけど、でも浅野君の持ってる、こう静と動の落差みたいな、転換みたいなものは、すごい他の人にはできないことだと思うんで、で、もう早い段階で、あ、これは浅野君にお願いしようと思いました。

司会 どうもありがとうございました。
それでは短い時間ですが、ここで最後にお一人ずつですね、ご来場いただきました皆様にメッセージをいただきたいと思います。まずはUAさん、お願いします。

UA えっと、今日は悪い夢を見ないように、ゆっくりお風呂につかって寝てください。ありがとうございました。

浅野 え、そうですね、あの、なんだろな、今日はちょっと何を言っていいのか、本当にもうわからないんで、何も言えないんですが、面白かったと思う人は本当に、いろんな友達とかにお知らせしてもらえれば嬉しいです。ありがとうございました。

杉森 あのー、なんか普通のハリウッド映画ばっかり見慣れている人にとってはちょっと違和感のある映画だったかもしれません。あの普通のハリウッド映画って、まさによくジェットコースターみたいな映画って例えられるように、なんかこうスピーディーとスムーズに物語が進んで行って、最後、一個のちゃんとしたゴールに全員が到達できるっていうものだと思うんですけど、僕たちが目指したのはそういうタイプの映画じゃなくって、同じアトラクションで言ったら、そのジェットコースターじゃなくって、プラネタリウムみたいな映画だと思ってるんですけど。プラネタリウムだと、あのすごく静かで、広がりがあって、でゴールはたぶん、観る人によって全然違いますよね?星に興味がない人にとっては、単なる白い点にしか見えないわけですから。なんかこの映画もたぶんゴールがそれぞれの人によって違うと思うんですよね。皆さんの持っているゴールを大事にしていただいて、あの、周りの人に勧めてください。ありがとうございました。

司会 どうもありがとうございました。

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更新:2002.11.10(日)
obuchi@yk.rim.or.jp