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西へ 「乱歩地獄」先行上映会

名古屋上映前トークショーの巻


司会: 浅野忠信さん、ようこそ。 一言皆さんにご挨拶をいただけますでしょうか。

浅野: はい。 皆さん今日は本当にありがとうございます。 自分の中でもかなり思い入れの強い作品なので、皆さんに見てもらえる日が来て嬉しく思います。 ありがとうございます。

司会: ありがとうございます。 浅野さん、名古屋はちょこちょこおいでになっているみたいですね。

浅野: 実は自分のお祖母ちゃんがですね、まぁ生まれたときにはもう亡くなられてたんですけど、お祖母ちゃんのお墓が名古屋にありまして、それで小さいときから毎年のように来てたんですね、はい。

司会: ねぇ、つい最近も三重県の方でも撮影があったりして

浅野: そうですね、そのときもやっぱり名古屋に寄って、友達とご飯食べたりして。

司会: (客席に)だからひょっとしたらですね、出没していらっしゃるかもしれないです。
さぁ「乱歩地獄」、これから皆さんにご覧いただくと、その前なんですが、かなりユニークで独特な世界が広がっているという映画ですよね。

浅野: そうですね、東京でも舞台挨拶を少しやらせていただいて、見る前の人と見た後の人では反応が違ってるんですね。 見る前の人というのはすごく元気なんですよ。 わぁーっ(^o^)/って晴れやかに迎えてくれるんですけど、見終わった後の人の前でするときは、あ゛〜(-_-;)みたいな。 何かこう、コイツなのかみたいな。 えぇ、ですからもうこの元気がねぇ、どれだけ変わっちゃうのか、楽しみ、じゃないですけど。

司会: 本当にディープな、しかも4話オムニバスというね形になってます。 あの浅野さんご自身のこの映画、4話の印象というのはそれぞれどうですか?

浅野: やっぱりまぁ監督たちが本当に個性的な方が多いので、それぞれがもうめちゃくちゃな方向に向かっているので、本当にそれぞれすごく濃い作品に仕上がってると思って。

司会: これ一本、一本

浅野: バラバラに見ても十分楽しめる作品なんですよね。

司会: そうなんですよ。

浅野: それが一つになっちゃってるものですから

司会: これ、だから一本一本独立させても良かったんじゃないですか?

浅野: 本当に、もうそれくらい一個一個が贅沢に仕上がっていると思います。

司会: ねぇ。 それぞれ竹内スグル監督、実相寺昭雄監督、佐藤寿保監督そしてカネコアツシ監督。 あの、お仕事はそれぞれ四人の監督とは?

浅野: あのですね、竹内スグル監督はですね、以前「濱マイク」っていう永瀬正敏さんのテレビドラマでご一緒させていただいて、そのときにやっぱりかなり独特な世界観みたいなのがあって、すごく楽しかったですね。 実相寺監督は実は、もう8年くらい前ですかね、「ウルトラマン・ティガ」っていうのでご一緒したことがあって、僕はまぁ普通に工事現場で働いてる兄ちゃんで、携帯電話で話をしてると怪獣が後ろに来て、電波が悪くなっちゃって、何だ?おかしいなって後ろを見ると怪獣がいて、怪獣だぁーっ!って逃げる役だったんで、そういうのでご一緒させてもらってて。 後、佐藤監督とカネコ監督は初めてご一緒しました、はい。

司会: 特にカネコアツシさんは、元々ね、漫画描いていらっしゃる人ですよね。

浅野: そうですね、漫画は偶然、僕は以前から知ってて、好きで読んでました。

司会: 今回はカネコさん、メガホンを執られたのは初めてということになりますよね?

浅野: そうですね、初めてですけども、やっぱり漫画でもストーリーを作っている方なので、全然問題なく、はい。

司会: ふうん。 今回はもちろん江戸川乱歩っていうキーワードがあって、4作品、4話が作られているわけですけれど、そもそもその江戸川乱歩の世界には、浅野さんはどんなイメージとか印象を持っていらっしゃるんですか?

浅野: すいません、実は全然本で読んだことがなくてですね、本当に乱歩ファンの人に会ったら、ふざけんな!って言われるんですけど、本当にだから、小学校の頃とか友達が本読んでたりとかして、何かちょっと変わった物語だったりとか、何かこうちょっとドロッとした雰囲気のものなんだろうなとは思ってて

司会: テレビドラマなどでもね、そういう雰囲気のものやってましたよね。

浅野: だから、実際僕の中では漠然としかなかったですね、えぇ。

司会: 今回、何か乱歩さんに関して、イメージが深まったとか、こういう作品を書いていらっしゃる方なんだって思ったことはありますか?

浅野: やっぱり、だからこの映画を作って、まぁ見てもらえればわかるんですけれど、とんでもない世界を、ずっとそんな世界ばっかりを書き続けて来たのかと思うと、やっぱり興味深い人だと思ったですね、はい。

司会: そのとんでもない中にも、ひょっとしたら自分も堕ちちゃうかな?みたいなね

浅野: ハイ。

司会: ありますよね?

浅野: そうですね、堕ちたくないですけどね。 この世界に堕ちようとしたのかなんて、見てもらったときにびっくりしちゃうと思うんで。 でも本当にそうですよね、自分の中にどこかあるような世界観なんで、それが具体的に映像になると、やっぱりちょっとキツイっていうか、はい。

司会: ヤバイですよね。

浅野: ええ。

司会: 今回のこの「乱歩地獄」という企画に、浅野さんが何か惹かれて、これはぜひ出よう!って思われたのは、どんなことが一番大きかったですか?

浅野: 普段から映画の仕事させてもらってるんですけど、去年の夏くらいから5ヶ月〜7ヶ月くらいの間で4作を撮ったんですけど、その期間の中で4人の監督と仕事してるってことはあまりないんですよね。 ですけど、一つの企画の中で4人の監督と仕事出来るってことが、やっぱりすごく自分にとっては新たなチャンスになる気がして、これはやらないわけには行かないと思って、やらせてもらいました、はい。

司会: 実相寺監督、またひょっとしたら怪獣かな?とかそんなことは思いませんでした?

浅野: いやぁ、今度はどうやって逃げんのかなぁと思って、またウルトラマンが来てくれるまで逃げなきゃいけないのかと思ったんですけど、今度はまともな役で、はい。

司会: 浅野さんというと、本当に作品選びにね、いつも感銘を受けるんですね。

浅野: ありがとうございます。

司会: 本当、独特な役柄だったり、浅野さんじゃなくちゃなっていう役選びをいつもされると思うんですけど、作品選びの基準というかポイントみたいなものはあるんでしょうか?

浅野: あるんですね。本当に自分がまだ15歳くらいからこの仕事やらしてもらってるんですけど、最初の頃は本当に、役者なんか面白くないなと思って、やりたくなかったんです。

司会: え!最初は嫌だったんですか?

浅野: 最初はやっぱ面白いところはあったんですけど、嫌な部分がけっこう多かったりして。

司会: どんなことが嫌だったんですか?最初に。

浅野: 撮影現場って、例えばライティングって光を作ってるときとか、すごく待つんですよね、その頃の僕にはさっぱり意味がわからなくて、何で俺がこんなに待たなきゃいけないんだ!?って思ってて。それでもこうやってこの仕事やりたいなと思ったのは、やっぱりこだわって、自分の好きな世界を、こんなにたくさんの人たちを動かして、自分の好きな世界をとことん時間かけて作ってくれるところに感動しまして。 それでやっぱりそういう信頼できる監督だったら仕事をしたいとか、あとやっぱりまぁ僕も男なんで、きれいな女優さんとかがいるとちょっと嬉しくなってしまって

司会: そんなこと考えたりしてるんですか!?

浅野: そうすると、何かそれだけでこの仕事やりたいなとか、盛り上がっちゃう自分がいたりするんです。

司会: はぁーっ。

浅野: けっこうそういうちょっとしたことで引き受けちゃうんですよ。

司会: けっこう単純だったりなんか。

浅野: 単純なんです。

司会: 今回も共演者、特に最後の「蟲」というお話で緒川たまきさん

浅野: そうですね、素晴らしいですよね。

司会: キレイですよねぇ。

浅野: ええ。 もう見てもらえればわかりますけど、女優の役で出演してもらってて、まぁやっぱり衣装も次から次へと変わってたり、ヘアスタイルも変わってたりするんですけど、それが似合うんですよね、ええ。

司会: それから今日は女性の方がたくさんいらっしゃってますけど、浅野さん、それから他にもかっこいい男性が

浅野: そうですね、もうかなわないですよね。

司会: いえいえ。

浅野: 松田龍平君とか成宮寛貴君とか、僕より10歳くらい年が若いんですけど、ええ本当に素晴らしい演技をしますし、ただならぬ存在感で現場にいますから、それで僕も影響受けますよね。

司会: 松田龍平さんは「御法度」でね、ご一緒だったですよね?

浅野: そうです、はい。

司会: 彼はどんな印象ですか?

浅野: イヤー、彼は本当に僕が女だったら惚れちゃうかっていうかね、何かね本当もう自分勝手なんです。

司会: いいのかな?それ。

浅野: ボサーッとしてて、何か面倒臭いときは面倒臭いってはっきり言うし、え゛ーっ!みたいな感じなんですけど、それが逆に気になってしょうがないんですね。

司会: はぁー。

浅野: 多分ああいうところに女の人は惹かれるんだろうなって思いましたね。

司会: くすぐられちゃったりするんですかね。

浅野: 何かねぇ、ムスーッといられると気になってしょうがない。 何か気を遣いたくなっちゃって、ええ。

司会: 成宮さんは?

浅野: 成宮君はかっこいいですよね。 僕は衣装合わせって洋服を決める日にスタッフルームって所に行って、初めて見たんですけど、最初、ヒドイ話なんですけど、僕知らなくて、成宮君のことを、何かえらいかっこいい男の人が座ってるなと思って、すごいオーラが出てるんです。 これ誰だ?と思って、そしたらそれが成宮君だったんですけど。何かね、普段映画とかテレビで見る成宮君では全然受け取られないオーラをポンッとした瞬間に出してるんですよね。

司会: え!画面で見るよりも

浅野: かっこいいですよ、全然かっこいいです。 申し訳ないんですけど、ええ。

司会: オーラが出てる?

浅野: かっこいいんです。 ちょっとみんなが見ていないときの成宮君はかっこいいですよね。

司会: へぇー、じゃあスクリーンに出たり、画面に出たりするときってのは、またそういうのが計算できるってことなんですかね。

浅野: そうですね、奥の深い人です。

司会: そして浅野さん、今回のこの「乱歩地獄」はけっこう肉体的表現というかね

浅野: そうですね。 ポスターの写真の中でもちょっと映ってるんですけど、洋服着ないで、けっこう芝居させてもらったりして、それも台詞とか言わないんですけど、けっこう勉強になりましたね、ハイ。

司会: 勉強になりましたですか?

浅野: 勉強になりました。 もう洋服にいかに助けられているかとか、ええ、洋服って温かいんだなってことが。 その作品はまぁアイスランドって国で撮影させてもらったんですけど

司会: 一番始めに出て来ます「火星の運河」というふうにタイトルが付いています、はい。

浅野: 寒いんですよね、もう曇って風が吹いた日にゃ、夏だったんですけど、めちゃめちゃ寒いんですよ。

司会: アイスランドは、はい。

浅野: スタッフの人たちももうスキーに行くような服着て、ヌクヌクなんですけど、そこでもう僕は、出番です!って言われると、素っ裸で出て行くんですけど

司会: 本当に素っ裸ですよね。

浅野: 素っ裸なんですよ。 もう、ちょっと大丈夫?君みたいな状態で彷徨っちゃうんですよね。

司会: あれでもやっぱりアイスランドっていう独特の世界ってのがスクリーンからも伝わって来ますですね。

浅野: そうですよね、やっぱりだからアイスランドで正解だったと思います、はい。

司会: 僕はもうてっきり、最初映画を見たときは、何かセットとか、ひょっとしたらCGかなぁって思ったんですよ。

浅野: そうやって思われちゃうみたいですね。 本当に行きましたんで、もう、はい。

司会: あのままの?

浅野: ハイ。

司会: ああいう池みたいなのもあるわけですね?

浅野: そうです。 映っている以上の場所ですね、あそこは。

司会: はぁー。 そこにどれくらいいらしたんですか?

浅野: そこにまぁ4、5日いさせてもらって。 周りは本当に何もなくて。海外の歌手でビヨークって方がいるんですけど、その方の出身国でもあるんですね、アイスランド。 まぁここから出て来た人だから、間違いないだろうなっていう、はい。

司会: でもそこで本当に最初の「火星の運河」っていうお話は台詞はなくて、独特のダンスっていうかね

浅野: まぁ独特な動きを、勉強させてもらったんです。

司会: ねぇ。 実は昔ダンサーだったらしいって話も、さっきたまたま聞いてたんですよね。

浅野: 実は小学校の6年くらいの頃にですね、「ブレイクダンス」っていう映画がありまして、僕それ見て感動して、これはやるしかないなと思って、でブレイクダンスのチームに入ったことがあるんですよ。

司会: ブレイクダンサーだった!?

浅野: ブレイクダンサー。 「ヨコハマ・シティ・ブレイカーズ」っていうチームがあって、横浜の山下公園っていう公園で毎週日曜練習してました。

司会: えーっ!だからけっこうダンスは素養があるわけですね?

浅野: いやぁ、でもいい加減でしたけどね、ええ。

司会: 今回はね、森山さんの演出っていうか、ダンスだったわけですけど、本当に独特ですよね。

浅野: そうですね。 森山開次さんっていう方もすごく魅力的な方なので、要チェックだと思いますね。

司会: そうですよね。 ぜひその肉体的表現というのもねご覧いただきたいと思います。 そして、いよいよ上映始めますが、この「乱歩地獄」描かれるのは、本当に乱歩の独特の世界観と、それから全編通して、実は究極の愛の形なんていうね

浅野: そうですね、まぁ人によってはこんな愛は許せないって人もいると思うんですけど、ある意味では、はい。

司会: そうですよね。 で色んな役で登場するんですが、浅野さんが全体のトーンとして、この映画の中でどんなポジションにいるのか、どんな役割なのか、これ浅野さんがお感じになるのはどうですか?

浅野: そうですね、見る前の人に何て言って良いのかわかんないですけどね、自分の役割はもしかしたらその一番観客に近い形なのかなというか、ええ。 ひょっとしたら僕自身もそうですけど、みんなでいるときには出せない自分がいて、それを出しちゃったらやっぱりとんでもないことになるしっていうような、どうしても人と生きてる中で、出さなきゃいけない自分ってのがいると思うんですけれど、それがはずれてしまう自分がいたりとか、抑えてる自分がいたりっていうような役割だと思うんで、何かこう、もしかしたら僕自身を皆さんに当てはめて見てもらえれば、この映画4本とも楽しめるかなという気は、はい。

司会: はい。

浅野: めちゃくちゃですよね、最後は。

司会: いえいえ。 本当独特、もうそれぞれの味わいがありますから。

浅野: そうですね。

司会: ねぇ。 4話オムニバス通してお楽しみいただきたいなと思います。最後に、じゃ一言。

浅野: そうですね、昨日松田龍平君とかに会って、話しをしてて、彼等もやっぱり地方の方たちの反応がすごい気になっていて、みんながどうやって見るのかなって楽しみにしてたんで、本当に楽しんでもらえるとみんなも喜ぶかなと思うんで、ぜひ今日は楽しんでください。 ありがとうございます。

司会: 浅野忠信さんでした。 どうもありがとうございました。

浅野: ありがとうございます。

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更新:2005.11.11(金)
Kaori