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祝公開!「ヴィタール」舞台挨拶

渋谷初回上映後の巻


司会: さて、人体解剖をテーマにした作品が今迄にありましたでしょうか?一体どんな作品になってるのか、皆様もずっと気になられてたと思います。本日初日を迎えた「ヴィタール」、今日はベネチア国際映画祭にもこの4人行かれていました、そんな話も聞ければと思っております。早速お迎えしましょう、「ヴィタール」監督、キャストの皆さんです、盛大な拍手でお迎えください、どうぞ!
さて、初日の初回、見終わったばかりのお客様、非常にですね、皆さん満足されていました。

塚本: 呆然としてる方もいないんですか?

司会: いやいやいや、本当に余韻に浸られている、そんな方々だと思うんですが。
では早速、皆様からご挨拶をいただきたいと思います。まずは「ヴィタール」主演になりますね、浅野忠信さん、よろしくお願いいたします。

浅野: 皆さん、今日は本当にありがとうございます。この映画はですね、丁度去年の今頃というか、今よりちょっと前位に撮ってた映画なんですけれど、色々偶然重なることとかありまして、僕が解剖のシーンで解剖してるあの学校というか、あそこが実は僕が生まれた病院をお借りしてやってて、実際はもう使ってない病院なんですけど、それを撮影の前の日にスケジュールをいただいて、何か聞いたことある名前だなと思って、それでよくよく考えたら、自分の生まれた病院で、そこで解剖のシーンを撮影するってのは、僕にとってすごいちょっとびっくりすることだったので、何かちょっと運命的なものを感じて。それ以外にも例えば監督が、今回の映画はレオナルド・ダ・ヴィンチのことを少し意識されてるところがあって、僕の中で、これもちょっとこじ付けてるのかも知れないんですけど、生まれて初めて読んだ伝記がレオナルド・ダ・ヴィンチの本でして、何か色んなとこでそういう偶然があるなぁと思って、何かすごい自分でも脚本を気に入って集中してる作品だったので、何かすごく思い入れのある作品です。僕自身も大好きな作品なので、皆が気に入ってくれたら嬉しく思います。今日は本当にありがとうございます。

司会: どうもありがとうございました。
素晴らしいダンスを披露してくださいました、映画初出演になります、柄本奈美さん、よろしくお願いいたします。

柄本: 今日はありがとうございます。今回映画初出演ということで、こういうチャンスをいただけて、本当に幸せです。撮影に入る前とかはすごく緊張してしまったんですけど、カメラが回った瞬間、すごい自分、自由になれて、緊張とか不安とかなくなってしまって、すごい自由で気持ちが良かったです。ダンスの特訓とかも含めて、今回本当に素晴らしい経験をさせていただき、本当に宝物のような経験をさせていただきました。皆さん、ありがとうございました。

司会: KIKIさん、よろしくお願いいたします。

KIKI: KIKIです。皆さん、今日はどうもありがとうございました。私も映画は初めての出演だったんですけれども、とても良い経験が出来て、作品も、皆さんそれぞれ感じるところは全然違うと思うんですけれど、すごく考えさせられるものだなぁっていうのは、私自身何回か見て、毎回色々考えてしまうんですけれど、何か答えが見つかったり、色々考える機会になったら良いなぁと思います。撮影は去年の今頃で、丁度人体の解剖展がやっていて、今もまた公開に合わせたかのように..(監督に)やってますよね?

塚本: やってます。

KIKI: あの、すごい人体...解剖って聞くとちょっと怖い印象があるんですけれども、人体の解剖不思議展もすごく勉強になって、面白い展覧会だったので、皆さん、映画を見たついでと言ってはなんなんですけど、そちらも見に行ったら良いかと思います。本当に今日はありがとうございました。

司会: どうもありがとうございます。
さぁ、そして塚本晋也監督、よろしくお願いいたします。

塚本: どうもありがとうございます。確かに解剖というと、ちょっとおぞましいような感じなんですけど、実をいうと最初に考えついたのは「鉄男」っていう15年前に作ってた映画の仕上げの頃に思いついて、最初はパッと思いついたんですね、鉄男、鉄男の次は何だろう?..死体!って、ちょっと乱暴なんですけれど、死体で行こうと思って。まぁ当時ホラー映画作ってたんで、内臓を出してですね、ものすごいスピードで追っかけて来る、その死体の話って考えてたんですけれど、自転車で逃げてても、後ろからものすごいスピードで追っかけて来て、振り返ると荷台の上にいつの間にか乗って笑ってるっていうので行くぞ!と思って、でもそれも飽きたなぁと思って、15年考えて、なぜかこういう形になりました。その間に4本くらいのプロット、色んなプロットがあるんですけど、多分これが一番良いんじゃないかと思って、形にしたのがこれです。で実際自分も解剖の見学に行きまして、実は自分の子供が生まれるときに、ご遺体の子宮の解剖をしてるときが一緒だったりして、色々感慨深いことがあったりとかですね、しまして、それでまた撮影になって、実をいうとこの最初の、もう台本書いたときから浅野さんにお願いしたかったんで

(TOT)

  ..(笑)今の話に出てきた、私の子供でございました、スイマセン。
それであの浅野さんにお願いしてですね、非常にさりげない芝居をしているように見えて、非常な集中力を実は発揮してくださって、すごく有難かったです。あとヒロイン2名、本当に人さらいのように連れて来てしまったんですけど、映画のことなんかはですね、本当はそのときまで考えないで健全に、あ!健全じゃないか(笑)生きてらしたものを、非常に不健全な、でもないですね?世界に引きずり込んで、ましてあのKIKIさんはすごい情念な女をやって..
(司会に)ちょっと僕多いです?しゃべりが?これで終わりですから。
あの情念の女をやってくださったんですけど、それまでは本当にモデルさんで、役といったら宇宙人?

KIKI: (笑)それは

塚本: 台詞は「ピッ」。

KIKI: 「ピッ」とか「ピーッ」とかそういう

塚本: まぁ大変で、人間の言葉をついにしゃべったんです。で柄本さんはバレエダンサーなんで、僕よくわかんなくて、バレエの方にこういう踊りを振り付けちゃいけないというか、なかったらしいですね、レパートリーっていうか、非常に古典的な

柄本: はい、クラシックなんで。

塚本: バレエっていうか、クラシックなんで。こう感情を!っていっても、それは形から入ってなかったんですけど、それは振り付けの方にやっていただいて、ほとんど不可能への挑戦という感じでやっていただいて、その多分、演る苦しみその他も合わせて、映画に苦しみとして出たのかなぁっていうふうに思っております。本当に皆様どうもありがとうございました。

司会: どうもありがとうございます。
ではちょっとお話伺おうかなと思ってるんですけれど、まず浅野忠信さん、ベネチア国際映画祭に皆さんで行かれまして、それで塚本晋也さんとは、一緒に映画にも出演していますし

浅野: はい。

司会: そして今回はじっくりと監督と出演者という形でお仕事をされていますよね?塚本晋也監督はどういう方だと思われました?

浅野: まぁさっきも、舞台挨拶の前に待ってるときに、今回のパンフレット見せていただいてて、監督はいつもどういうところに目を着けてるんだろ?ってことを考えて、やっぱり僕もこの映画、まだ正直ちょっと引きずってる部分があるんだなって、この間気付いて、それで全然イメージしていない自分がいて、でもそういうショッキングなものをやっぱ作ってくれる監督と出逢えたというか、前から実は出逢ってたんだけど、ガッチリ今回は組むことで、また新たに出逢えたっていうのがやっぱ嬉しくて、そういう、目を着けるところというか、考えてるところがやっぱり深いなと思いまして、すごいショッキングだなと思いました、ハイ。

司会: はい、ありがとうございます。
さて、それでは二人のヒロインにも伺いたいと思いますけれども、柄本奈美さん、今監督からもお話出て来ましたよね、映画の世界に入って、そして塚本監督とご一緒して、どういう印象が残ってますか?

柄本: 本当に塚本監督に巡り会えて幸せだなと思います。あと主演の浅野忠信さん、海獣シアターの方々と一緒に仕事が出来て、今回本当に幸せでした。

司会: 現在、バレリーナという、そういう活動をされていますけれど、女優としての..何でしょうね?女優の魅力って何だと思いましたか?

柄本: 自分の気持ちを自由に表現出来るっていうのが、最大の魅力かなぁって思いました。

司会: わかりました。どうもありがとうございました。
KIKIさん、よろしいですか?さっき塚本監督が色々とお話されてましたけど、塚本監督の魅力って何だと思いますか?

KIKI: ...

塚本: ない!って言われたらびっくりしますけどね。

KIKI: (笑)いや、もうその存在そのものだと思うんですけれど、私は本当に引きずり込んでもらえて、本当に良かったなって。前から監督の作品は見ていて、すごく好きな監督だったので、ぜひもし自分が映画に出る機会があったら、監督の作品に出れたらいいなぁって勝手に想像していたんですけれど、本当に..ありがとうございました(笑)という感じで、いつも常に何か考えてられる方で、本当に撮影の間もフル回転し続けているようで、あまり声をかけられなかったんですけれど

塚本: 日常会話ありませんでしたね。

KIKI: そうなんです(笑)でも本当に尊敬する方です。

司会: はい、どうもありがとうございました。
お時間が近づいて参りましたので、最後に塚本晋也監督から、あのベネチア国際映画祭に行かれた反応もねあったと思いますので、その辺りも混ぜてですね、メッセージをお願いしたいと思います。

塚本: そうですね、ベネチア国際映画祭のときどうでしたっけねぇ?俺はあの、今日はすごく音良いんですけど、あのスピーカー、普通の倍位値段するやつらしいんで良いんですけど、ベネチアのとき音が悪くてですね

浅野: (笑)

塚本: それで呆然としちゃって、よくわかんなかったんですね。

浅野: いや、非常に良かったですよ。

塚本: お客も呆然としてたのかなぁって思って。呆然としてる人がいたかも知れないし、半分位の人が圧倒的に来てくださったんです、こっちの方に、自分らを取り囲んで、次の映画が始まる迄、始まっちゃうんで早く出て!って言われる位だったもんですから、ちょっと嬉しかったんですけど、ただまぁ音のことで呆然としててですね、二日三日もう何かメニエール病ですか?クラクラしちゃって、音が悪いと、ですから今日は非常に音が良いんで、かっこいいというか、イケてるんですけれど。まぁちょっとこう解剖というと本当におどろおどろしいんですけど、何とか今日ですね見ていただいたお客様はお友達に(笑)

司会: 言って?

塚本: 言って!っていう感じなんですね。そうじゃないと、海獣シアターは1本1本作ってね、失敗するともう次ないんです。ちょっと今回張り切っちゃってですね、ヤバくなっちゃったんで、これにコケるともうないんで、ぜひとも。ちょっとそういう話、懇願してもダメなんですが、ハイ、お願いします。

司会: ありがとうございました。

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更新:2004.12.12(日)
Kaori