TA050625

祝公開!「埋もれ木」舞台挨拶

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梅雨は何処?真夏の6月25日、渋谷シネマライズにて「埋もれ木」が封切られた。初日舞台挨拶には昨暮の「ヴィタール」以来、実に半年振りの生浅野!!

ご出席(敬称略)
小栗康平(監督)
夏蓮(まち)
登坂絋光(知行)
浅野忠信(三ちゃん)
伊藤さとり (司会:映画パーソナリティ)

浅野さんのいでたち
  • 茶色味が強い、下ろした長い髪
  • 濃い目の髭
  • 素肌に、白地にピンストライプの丈長綿シャツジャケット
  • グレイ地にピンストライプのウール(?)パンツ
  • 紺色の革靴
  • 右手首に薄緑の髪ゴム
ちょっと日に焼けた?

<上映後の舞台挨拶より>

司会: さぁ初日の初回にこのように皆様が来てくださいました。
では早速、監督から皆様にまずはご挨拶をお願いします。小栗監督、よろしくお願いします。

小栗: 小栗です、こんにちは。ようやく初日を迎えられました。初日の一回目に並んで入ってくださった皆さんには心からお礼申し上げます。いかがでしょうか?と聞かない方が良い映画らしいです。あの、すぐ結論を出さないでですね、三日でも四日でも一週間でもずっとこう自分の中に抱えて、形になるまで待ってください。僕としてはファンタジーというふうに思っていますが、この夏「SW3」とかですね「宇宙戦争」とか、まぁあれもファンタジーといえばファンタジーですが、「埋もれ木」が本当のファンタジーです。私たちはこうテレビや何かを見てですね、テレビから色んな情報を得ていると思いますけれど、本当のところは一人一人の気持ちを伝え合うところから始まると思いますので、皆さんもぜひこの「埋もれ木」を、すぐでなくていいです、一週間位したら、ぼそぼそっと周りに囁いてください。よろしくお願いします。

司会: どうもありがとうございました。
続きまして、7000人の中からオーディションで見事に選ばれました、そして実は明日が15歳のお誕生日だそうです、おめでとうございます!夏蓮さんです。

夏蓮: 主演のまち役、夏蓮です。今日は来てくださってありがとうございました。「埋もれ木」を本当にたくさんの人、方々に見ていただきたいです。よろしくお願いします。今日はありがとうございました。

司会: ありがとうございました。
続きまして登坂絋光さん、よろしくお願いします。

登坂: よろしくお願いします、登坂絋光です、知行役をやらせていただきました。丁度去年の今くらいから撮影が始まったんですけど、今でも撮影しているような、とても僕の中で思い出深い作品となっております。小栗さんには演技とかの部分ではなく、人としてとかのアドバイスももらったので、とても感謝しております。今日は来ていただいてありがとうございました。よろしくお願いします。

司会: ありがとうございました。
小栗監督作品は初になりますね、浅野忠信さんです、よろしくお願いします。

浅野: 本当に今日は暑い中来てくださいましてありがとうございます。あの本当、今も彼(登坂)が言ったように、去年丁度今くらいに撮影して、本当に僕の中でも思い出深い作品でして、あのそうですね、こうやって皆さんにご覧いただけることを嬉しく思ってます。本当にありがとうございます。

司会: どうもありがとうございました。
では早速お話伺って行きたいと思います。まず小栗監督、今日いらっしゃってる方々も監督の作品いつ出来るんだろう?いつ私たちは見ることが出来るんだろう?と期待してたと思います。9年間満を持してこの作品が出来上がったわけなんですけれども、どんな思いからこういった作品をお作りになろうとお考えになられたんですか?

小栗: いつから?いつが始まりかよくわからないんですけどね、まぁでも「眠る男」から9年ですから、9年前ということでよろしいでしょうか。

司会: はい、あの今回は脚本も監督が手掛けられておりますけれども、どういう思いでこの作品をお作りになろうと思ったんでしょうか?

小栗: えー、まぁ夏蓮がやってる女子高校生、とても不安定な時期なんですね、色々な不安を抱えてるでしょうし、そういう不安を感じるということは、感じる力が有るわけですから、そのことをマイナスに考えずに、もっと個性的に生きて欲しい。まぁ少女の不安定な中に、現実に潜んでいるファンタジー性といったものが映ってくれたらいいなぁと思っていました。

司会: それは何かきっかけがあって、そういうテーマの作品を作ろうとお思いにったんでしょうか?

小栗: えーまぁ今の世の中がね、ガチガチで面白くないじゃないですか、特に若い子たちから見れば将来は何か明るく思えないとか、自分達は希望を持てないらしいですけど、そんなことはないよと、もっと現実を丁寧に見つめて行けば、柔らかい人生は一杯有るんだよというふうなことを教えたいですね。

司会: はい、どうもありがとうございました。
では続きまして夏蓮さんにお話伺いたいと思います。夏蓮さん、初めてオーディションでこのような作品に主演なんて、カンヌにも行かれたんですよね?

夏蓮: ハイ、そうです。

司会: ねぇ、実際に映画の世界に入ってみてどうですか?

夏蓮: そうですね、今までは映画を見ていただけだったので、やっぱりこう作るっていう側に立つと、何かすごいたくさんの人たちが、命を注ぐようにして作り上げられて行くんだなということをすごく良く実感しました。

司会: どうですか?そういう意味で、自分の作品を見てみて改めて感じたことは。

夏蓮: そうですね、出演してたときは、撮ったものが全部、すべてだと思ってたんですけど、東京に持って来て、色々編集作業が行われて、本当に私が知らなかった部分が見えて来て、わぁ!すごいなぁ、一つの作品でここまで大きくなれるんだなぁってすごく感動しました。

司会: この作品は自分にとってどんな作品になりました?

夏蓮: そうですね、やっぱり14歳のときに、初めてこういう、誰も体験出来ないようなことを体験させていただいて、本当に人生が変わった感じです。

司会: はい、どうもありがとうございました。
続きまして、登坂さんにお話伺いたいと思います。先程挨拶のときに、監督からも色々人として教わったというふうに言ってましたけど、どんなことを?

登坂: はい、あの最初に言われたのが、ヘラヘラするな。ハイ、とりあえず僕は今までこう笑って自分を誤魔化すところがあったので、そこを直しなさいと。で今は、もう直りかけているところです、ハイ(笑)

司会: 小栗監督とお仕事ご一緒してみて、人としても学んだと思うんですけど、役者としても色々学んだんじゃないでしょうか?

登坂: そうですね、皆さん素晴らしい俳優さんばかりで、すごく勉強になりました、ハイ。

司会: 合宿のような生活を行ってたと思うんですけど、どうでしたか?

登坂: あのボランティアの方が、もうご飯とかも全部僕たちのために作ってくれて、けっしてお金をもらっていないのに、そうやって汗水流して働いてくれたことはとてもありがたいことで、ありがとうございました。

司会: はいどうもありがとうございます。そうですね、登坂さんにとってはどんな作品でした?

登坂: そうですね、一人一人の、さっきも夏蓮さんが言ったんですけど、一人一人の力が全部合わさった作品が「埋もれ木」だっていうことで、どれも本当に一人も休まずに、みんな自分に出来ることは頑張ってやったので、素晴らしい作品になってると思います、ハイ。

司会: はい、どうもありがとうございました。
そして浅野忠信さん、よろしくお願いします。まず小栗監督とお仕事ご一緒してみていかがでしたか?

浅野: そうですね、僕は彼(登坂)よりちょっと年上なもんで、ヘラヘラしてたらマズイかなと(笑)それでも、僕も本当に色んなこと教えてもらいましたね。

司会: それ具体的に、例えばどんなことを?

浅野: あの、普段僕はどうしても自分のペースでしゃべってしまうタイプというか、自分の言い回しをやっぱりセリフに入れてしまったりもするんですけど、そのところで、本当にシンプルなことなんですけど、ちょっと台詞をゆっくり言ってみたらどう?とか、そういうちょっとしたことで大きく変わるんだということを本当に教えてもらいまして、それは僕の中ではすごく大きなことだったので、びっくりしましたね。

司会: 今回の役どころっていうのは、三ちゃんという役どころはちょっとヘラヘラしてるって言うのは言葉的にアレなんですけれど、まぁそういう役どころですよね?ご自分の中でどういうふうに役作りされましたか?

浅野: いや、本当に最初その監督の台詞回しのことを教えてもらったときに、それが本当に大きかったですよね。だからそうすることによって、三ちゃんの持つ、何て言うんですかね?ちょっと柔らかい感じと言うかそういうのがもう、いきなり大きく出たと僕は思ったんで、あぁこんなにちょっとしたことで変わるんだなと僕も思って、そこから出て来る三ちゃんを前提にして、また監督にも色々教えてもらって作りましたね、ハイ。

司会: そして今回は若い役者さんたちともご一緒したわけですけれども、どうでしたか?

浅野: あのー撮影してた場所が鈴鹿市っていうんですか、すごくいい町だったんですけど、そこでやっぱり僕が若い人たちと一緒にいるっていうのが何か刺激というか、普段東京にいるのとは違う気持ちになれたんで、それは本当にありがたいっていう気持ちでしたね。

司会: 更に他のベテランの役者さんともご一緒でしたね。

浅野: そうですね、ですから僕が勝手に思ったのは、本当に町の人になりきれるというか、撮影で来てるというよりは、なんかのんびりみんなで、待ち時間は本当にみんなで話とかもしていたんで、自然とその町の雰囲気が作れたような気がしました。

司会: 最後に、この映画実際にご自分でご覧になってどんなふうに感じられましたか?

浅野: さっき夏蓮ちゃんが言ってたんですけれども、僕の知らないストーリーってのが一杯映画に詰まってて、それは何か非常に新鮮だったので、僕自身もちょっとびっくりしたんですけど、自分の話してる内容ももちろん面白い映画だと思ったんですけど、そういうのが映画としても大きく大きくなってるのがすごくびっくりしましたね。

司会: どうもありがとうございました。


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更新:2005.06.26(日)
Kaori