6月10日、京橋・映像美学校にて、weeklyぴあ主催、EJ vol.18「茶の味」ティーチイン試写会。 すっかりスレンダーになって、いたずらっ子のような風貌の石井克人監督の、映画さながらにスピーディーなトークが炸裂した。 | |
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司会: |
さぁ、ではあらためて監督から皆さんにご挨拶をお願いしたいと思います。 石井克人監督、よろしくお願いします。 |
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石井: |
はい、はじめまして石井克人です。 |
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司会: |
なんかイイですよね、こういう会場で、セミナーっぽい感じもするんですけれど。 まず監督、この「茶の味」なんですけれども、元々この映画を作ろうと思ったきっかけというか発案というのはどこから出たものなんですか? |
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石井: |
そうですね、元々は作ろうというか、見たい!っていうのがあって、こういう映画を、で、何かこう大変なことはないんだけど、なんとなく最後はイイ感じでいいかな?みたいな感じのが見たいな!ってのがあったんです。 でも、それでもそういうのがジャンルものとかになくて、じゃぁまぁ自分で作ろうかなって。 短く言えばそんな感じですね。 |
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司会: |
ふぅん。 多分色んな所で言われていると思うんですけど、今までの監督のテイストとは違うよねっていう風に、皆さんもね、どこかで印象があったと思うんですけど、それについて自分ではどういう風に思ってます? |
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石井: |
そうですね、今までのやつは、作りたい!みたいなのがけっこう全面的にあったんですけど、今回のは、特にその作りたい!ってことで作ろう!っていう話になって、今までのは、そのそういうプロジェクトがあっての中で作って行って、こう撮影みたいだったんですけど、「茶の味」に関しては全然、その作ろう!っていう話は別になく、僕が単純に見たいから、単純にネタを考えて書き溜めてたやつが、とにかく書き終わってから、これやんない?っていう話で持ってったんで、それがまた全然違う感じなんですけどね。 |
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司会: |
ふぅん。 さて、このあとはですね、皆さんからの質問を受けて行きたいと思うんですけど、最後に私から。 皆さんも気になってると思うんですけど、「茶の味」というタイトル、これはどこからやって来たんでしょうか? |
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石井: |
これは、色んなとこで色んな違うことを答えたりしてるんですけど、本当は、最初あの考えてるとき、我修院さんの、我修院さんというかおじいちゃんが子供をただ単にこうバカにしてるだけの短編みたいなものを考えたんですけど、そのときに、コメディだからこそ何か面白い題名はないかな?って色々考えた中に「茶の味」ってのがあって、それでそれをだんだん膨らませて行ったときに、ドラマチックにして行って、考えたときに、ちょっとそれだと合わないかな?って感じになって来て、何か「××と春の××」とか、何かそういうのがいいかな?ってなって来たんですけど、なんかこう絵に描いたときにそれがしっくり来なかったり、それがあまりにもテーマを出し過ぎてたりしてたんで、元に戻って「茶の味」にしました。 |
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石井: |
あぁ、してますけど。 面白いなぁ!と思いながら。 |
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石井: |
そうですね、たまにしますけどね、友達とか奥さんに見てもらったりとか。 でも、基本的にはネタ帖の中に、部分部分台詞を書いてたりとか、「茶の味」に関しては、本当に見たい絵だけを徹底的に描くネタ帖があったりとか、あとはまぁギャグだけを書くネタ帖があったりとか、そういうのが全部集めてこう入れてったんで。 最初にもうワァッてネタが集まってからはもうずっと頭からダァーッて書いてくだけで、そこではもう相談しないみたいな感じで。 ネタのときに、これはどう?みたいな感じで他人に聞いたりするけど、構想を考えてるときに、書くときにはダァーッと書き切っちゃうって感じ。 |
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司会: |
もしかして脚本家を狙っていらっしゃる? どうですか?監督、脚本家を狙っていらっしゃる方々もいっぱいいると思うんですけれども、監督から思う脚本の作り方みたいな、監督ならではねっていうのは? |
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石井: |
僕は、そうですね、その「鮫肌」と「PARTY 7」に関しては、その宝島から出てるシド・フィールドガー(?)の「シナリオの書き方」っていう4部構成の、いわゆるヒット作の要するにシークゥエンスっていうか、そのどういう風に作れば良いかっていう物に則って完璧に作ったんです。 あとは宮崎さんの、そのハコの作り方を、宮崎さんのコンテを全部買って、昔から好きだったんで、あの人は全部4部構成で、今まで作ってたんですけど。 「茶の味」に関してはもう飽きちゃったというか、それが、なのでもう、ネタをガァーッと集めたら、あとはもう頭から書いてました。 だから特に、これに関しては決まりなく作ってますね。 |
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司会: |
さっきほら、ギャグだけのものと、あとはシナリオ書いているものと、絵コンテって言ってましたけど、何種類のものを用意したというか、「茶の味」では? |
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石井: |
三つくらいですね、三つくらいのノートに書いてありまして、それをだからもう一回一つのやつにまとめて、いくつかこう、スケッチブックじゃないですけど、持ってて、それを適当にこう書いて行って、そのあとから見直すときにバァーッと、これが使えるんじゃない?って○書いて行って、それをピックアップして書いて行くと。 変わってると思いますけどね、このやり方は相当。 |
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石井: |
正にその通り、そうですね、おじいちゃんに関しては本当に、最初に考えたのは、そのおじいちゃんの小ネタ集みたいな作品みたいなのが作れたらいいなと思ってて、それがけっこう僕の将来の理想像みたいな感じで、おじいちゃんをずっと書いてたんで、おじいちゃんに関してはもうキャラはもう完璧にもう出来てたわけなんです、僕の中では。 まぁ確かに言われた通り、そうですね。 でも、もうあれをああいう風に作って、そのジイちゃんが絵を遺してますけど、あの絵もその平田さんって65歳の人が描いてくれたやつを、さらに1ヶ月くらいかけて僕がその上から塗り直したりとかしてるんですけど、それでもういいかな?って、いいことはいいかなっていう感じにはなりましたけど。 |
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司会: |
監督、ということは我修院さんっていうのは頭から入ってたんですか? |
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石井: |
あ、もうそうですね、我修院さんの感じってのはありましたね。 |
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司会: |
我修院さんを思い浮かべながらおじいちゃんを書いてた。 |
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石井: |
っていうか、もう僕がジイさんになったらこうやりたいなというスタイルがあって、それがわりとこのおじいちゃんに近い感じだったんで。 こうなれたらいいんですけれど、こうなりたいなっていくつかの内の一個は確実にこのおじいちゃんというか。 (顔が似てる(^o^))あ、そうですか? そうするともう、細かいやっぱりその完璧にイメージがある人の場合は、ちゃんと演出したいじゃないですか、動きをこうやるとか、そうすると我修院さんしかいないってことになる、当てはまるのは。 |
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石井: |
おじいちゃんが一番年長で、伝説のアニメーターっていう感じでいたんですけど、引退して、息子のノブオが嫁をとったと、その嫁さんはアニメーターなんですね、だからあの二人はすごい仲が良いんですけど。 そのノブオは、もういいだろ?みたいな感じで、家庭に戻って来なさい!みたいな感じで家庭のことをやらせるんだけれども、元々はアニメ魂があるお母さんだったんで、また復活したいって話が、あの監督から来たときに、相談するのはおじいさんしかいないわけなんですよ、自宅で描いてたら、家のこともやらなきゃいけないしみたいな感じで、それですごい仲が良く見えてるんだと思いますね、あの二人は、だからまぁ血は繋がってないけど、魂的には繋がっているんじゃないかと思いますね、あの二人は。 それで、そのノブオの弟が漫画家の轟木なのかな、あれ?手塚さんの弟が漫画家の轟木なのか、それで、そいつはすごい金持ちで、何回も問題を起こしてるんですよ、なんか色々、こうわかんないけど。 きっとそのアヤノってのは手塚さんの弟で、エンジニア、ミキサーなんですけど、音楽の、彼はすごい有名なミキサーっていう設定で、要するに音楽系の人たちの中では、ミキサーが誰かってのがけっこうポイントだったりするんですよ、それ作るときに。 それでこいつは、轟木君は漫画家であるにも関わらず、何か曲とかを作るときはいつもきっと、別に売るもんじゃないんだけど、アヤノ君にきっと頼んでたんですよ、それだけど、何か下らない、また歌みたいのを作って、何度も何度も来られたって経験があったりとか、でも漫画家の彼は金持ちだから、お金で全部解決してるのが何となく気に入らないみたいな感じだったりとか、それでけっこう仲が悪いんです、あの二人は、お前、何でも振込みゃいいってもんじゃないんだぞ!って、そんな感じで。 で、子供はあそこの子供二人ですね。 |
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司会: |
私、あの二人は何となく、こう轟木君はアヤノ君のことが好きなのかって勝手に思ってたんですけど、違うんですか? |
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石井: |
轟木はどっちかっていうと、興味はあるっていうか、やっぱり違う世界の人だから。 まぁ浅野君は別に興味がないと、うっせぇなー!みたいな。 一応家族だから、まぁしょうがないかみたいな感じですね。 |
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司会: |
あれだけ色んな、こうキャラクターの濃い家族が集まってますよね、それぞれモデルっていうのはいるんですか? |
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石井: |
それぞれは、いたりいなかったりですね。 けっこう僕の憧れの姿だったり、それはまぁ、おじいさんがそうですけども、轟木君は実際轟木君だし、そのまんま本業だし(笑)彼の場合は。 あとは手塚さんとかお父さんとか、あの辺は本当に、何だろ?単純に好きな人でキャスティングして、その人の感じでやって欲しかったっていうあれなんで、まぁ色んな人を組み合わせてモデルを作って行ったんですね。 まぁ色んな人いるんですけど、アニメーターの誰さんとか、けっこう複雑に絡み合ってるんですね。 |
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石井: |
あ、今日で帰りますってことなんです、今日でもう泊まらないで帰る。 一緒に住んでないんです、あれは遊びに来ただけなんですね、普段は東京で仕事してて、アヤノ君っていうのは、たまに、そのフリーランスっていうか、エンジニアだからそんなにずっと会社に勤めてるわけじゃなくて、たまに休みがあると、自分の家の田舎に戻って来て、なんか昔の好きだった人のところに行こうかなぁ?とか、行かないかなぁ?みたいな感じでいつも行かないんですよ。 あれを、この映画では行く日のことを描いてあるんです。 それで、僕今日帰るからっていうことで、今日が最後だからって言ったんです。 |
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石井: |
そうですね、僕はけっこう参考にしたのは、小栗康平さんの「眠る男」とか、長尾直樹さんの「さゞなみ」ですね、それがすごい好きだったっていうのがあって、あとはもう、昔から読んでる「北の国から」の感じですね、あの会話の仕組みっていうんですかね、その辺はすごい好きですね。 |
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石井: |
そうですね、あの人は特に。 でも何かちっちゃい映画には出たことあるって言ってましたけどね。 あの人は、コンテンポラリーダンスの人で、すごい有名な人なんですけど、その人のドキュメンタリー見ているときに、けっこうすごい変だったんですよね、この変な感じいいなぁ!と思って、出てもらおうと。 モリ..モリヤマ..森山開次?モリヤマさん、モリヤマさんって。 |
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司会: |
ヤマダファンなんですね? |
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石井: |
元々はこの「茶の味」も、我修院さん、あのおじいちゃんが色々こうてんてこまいを起こすっていうか、あのおじいちゃんだけの話で考えてたんですよ、ほとんど小ネタみたいな感じで。 でそれを、おじいちゃんが孫をただ単に、こうからかうだけの話のやつを、あのおじいちゃんが死んでからどうしよう?っていう方まで考えたら、だんだんギャグじゃなくなって来て、そっから広がったんですね、この話は。 だから本当の主役は我修院さんなんですよね。 |
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石井: |
まぁあんな感じですね。 まぁ基本的に浅野君に関しては全然演出してないんで、好きにやってくれって、あんまり変わらないですね。 |
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司会: |
石投げるのとかも?まさかね。 |
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石井: |
あれはもちろんCGとか絡むから、あの辺はアドリブじゃないですけど。 |
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司会: |
そしたら怖いとか本気で思っちゃいますよね。 |
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石井: |
だめだ、話を作っちゃ、話を。 |
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石井: |
佐藤君を選んだ理由は、単純にその僕はあまりオーディションは好きじゃないんですよ、基本的に、CMとかに関しても、やっても僕出ないんです、決めてもらうっていうか、誰かにってのがほとんどなんで、今回は、でもどうしても出なきゃだめだみたいな感じで、で何人かその合いそうな人に会ったんですけど、佐藤君は単純に、あのやる気がなかったんですね、あんまり、そこがけっこう良かったなというか。 僕がその映画を見るときに思うのは、その押し出しが強い人よりかは、こう逃げて行く人の方が食いつきが良いっていうか、見たくなるっていうか。 だからそういう人がいないかな?と思ってたら、本当に芝居云々じゃなくて、佐藤君しかいなかったんですね、彼しか、えー!みたいな感じの子が。 で、それは佐藤君にして、あと子役の真弥ちゃんは本当に、あの6歳くらいの子供って一番手間がかかって、すごい撮影の時間を食っちゃったりするんですよね、動物とかと一緒で、すごい大変なんですけど。 だから一番大事だったのは、他人の言うことを聞く子っていうことで、大人のように会話ができる子供を探したいって感じで、そうすると本当にいわゆるすごい、有名な子役の子ばっかりとか見てたんですけど、それで聞き分けの良い子を。 中でも真弥ちゃんが面白かったのは、アドリブができたんですよね、なんか一緒にやってたら普通に、それが一個面白かったのと、あとはなんか「大人のフリして!」とかって言うと、大人のフリがけっこう上手かったっていうか、あと「暗い子のフリして!」って言うと、暗い子のフリが上手かったりとか、でその大人のフリでアドリブができたり、暗い子のフリでアドリブができたりとかして、そういう子って一人しかいなかったので、もうこの人しかいないんじゃない?って話だったんで。 |
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石井: |
いや、ハジメ君は好きだけど、あの恋はうまく行かないでしょうね(笑)。 |
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司会: |
佐藤君の話出てきましたけど、ほらあの引き気味な、あまりやりたがらない感じだからこう選んだ、でも結局演出してみたら、そこでけっこうモメたって話を聞きましたけど。 |
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石井: |
意外と、実際現場に入ってみたら、あいつは意外と目立ちたがり屋っていうか、猫かぶってたって言うか、オーディションのときはね。 で、けっこうなんかこうNG出すと笑ったりとかして、「へへっ」とか言って、それがめちゃくちゃムカついたんですよね。 それ20何回ずっと同じ、笑ってNG出すみたいな感じでね、何考えてんだ!?って話になって、そこからけっこう、「フィルムは1mいくらです」みたいな話とかを講義したりしてね、「みんなの人件費はいくらになってますよ」って、それからは急にぴっ!となって、「そうですか、お金がかかるんですか!?」みたいな話になって。 そういうのはスタッフみんなから言われてて、役者の人からは、こういう芝居した方が良いんだよみたいに。 彼自身は色々知らないことが多かったんで、でけっこう暇な時間が彼は多かったんで、ずっとスタッフが考えて相手をしてくれたりして、その中でけっこう勉強しちゃって、半分くらいからはすごい良くなりましたね。 |
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司会: |
実際に出来上がったこうフィルムを見たときに、佐藤君の演技ってどういう風に思われました? |
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石井: |
いや、素晴らしいんじゃないですか? なかなか良いですよ、彼は。 |
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石井: |
何なんですかね?僕もよくわからないんですけどね、正直言って。 ああいう画が見たかったんですよね、スクリーンで、その家族映画で、なんかこう辻褄つかないかな?みたいな感じで、そういう風に考えたんですけどね。 でも一応なんか幽霊が見えるみたいな設定にはしてて、その、僕の周りに3人見える人がいるんですけど、みんなが言うのは、幽霊っていうのは別に薄くなくって、クリアに見えると、全員、で接地面もリアルだって話で、じゃ人間と変わんねぇじゃん!って話をしたら、いや、人間がそこの視界の中に一人でも入って来たら、その人が幽霊だってわかるって言うんですよ。 でもそれは映像では表せないから、その感じって、だからやっぱり大きさとかそういうので表さないと面白くないかなと思って、それじゃやっぱり大きい方が面白いなと思って、大きくしちゃったんですけどね。 |
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司会: |
ほらあの「ドッペルゲンガー」って映画ありましたよね?私、分身という感覚で捉えてたんですけど、あれは分身ですよね? |
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石井: |
分身ですね。 僕もね、よくわからないんです。 あの思い付きのスケッチがあるじゃないですか、それをこう本当にパズルのように組み合わせて作るんで、わからないなりにも、この子は何考えてるんだ?とか思いながら考えてるんであって、この子はこうだからこういう行動をするんじゃなくて、一回絵を描いて、この子はどうなんだろうな?っていって、ストーリーを考えて行くスタイルを今回はとったんで、基本的によくわからないんですね、あの家族の人たちことは。 ただ、この人は多分この流れだったらこうするなみたいなこととか、あとバックグラウンドちょっと考えてみて、こうやるんじゃないかな?って感じで作ったんですね。 わりと偶然の産物的なシーンがいっぱいあったりもして、その内の一個ですね、あれは。 |
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司会: |
なるほどね、面白いですね。 |
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石井: |
面白かったですよ。 |
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司会: |
だからこそみんな捉えかたも違うのかな?って、今聞いてて思いましたね。 |
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石井: |
ないですね。 今考えてる、もう次の作品に入ってるんですけど、編集してるんですけど、それはもう全部ギャグです、ギャグ100連発みたいなんですね。 ギャグ100連発3時間みたいな、そういうやつなんで。 |
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石井: |
ていうかね、もう何がやりたいとかって、今はもうないんですよね、本当に今やってる仕事で目一杯なんで、それを全部、5、6本今抱えてるんです、映画だけで、それを全部片付けなきゃいけないって状況なんで、それが全部終われば何か考えるかも知れないんですけど。 |
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司会: |
監督、あの出て来たギャグ100連発、みんな食いついてましたけれども、キャスティングはもう決まってたってことですよね? だからもう出てる人たちもわかるわけですよね? |
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石井: |
そうです、ほとんど「茶の味」に出てた人たちはみんな出てて、あとは何ですか?キャスティングってそのキャスティングで、どの人にしようっていう? |
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司会: |
そうじゃなくて、今新しい、今編集入ってるやつですね、どこら辺の人たちが出てるんですか?「茶の味」の人たちと? |
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石井: |
「茶の味」の人たちと、メインが寺島さん、浅野君、あと横須賀基地に住んでる無名の少年、すごい素人のデブ、これがメインですね。 あとは加瀬君とイギリスにずっと住んでる |
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司会: |
加瀬亮君? |
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石井: |
加瀬君って、浅野君と同じ事務所の加瀬君って、あの流星警備員やってた加瀬君ですね。 加瀬君とエリックっていう、サイモンエリカっていうイギリスに住んでるすごいかわいいモデルの子がいるんですよ、その子もけっこうメインの軸であって、あとは池脇千鶴さんとか、その辺とか、高橋真理子さんとか、けっこうわりと庵野さんもすごいいっぱい出て来るし、わりとそういうみんなの、そのバカな人しか住んでない世界の切り取りみたいな感じで今作ってます。 |
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司会: |
あ、じゃあみんなバカなこと言ってるんですか? |
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石井: |
まぁ本気でみんなバカなんですね、本物のバカっていうか。 それは僕と三木っていう監督と伊志嶺っていう監督三人で「ナイスの森」っていうユニットを作って「ナイスの森」っていう映画を作ってですね、これすごい面白いですよ。 |
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司会: |
うわ!楽しみですね。 それいつ頃私たち見られるんですか? |
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石井: |
それは来年の夏くらいですかね。 まだ全然CGとかが作ってる最中なんで。 |
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司会: |
期待大ですね、ギャグ100連発。 |
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石井: |
100以上あるかもしれないですね、2秒くらいのやつも含めたら。 3秒のやつもあるんですよ、短編で。 2秒とか1秒くらいのやつもあるんですけど。 面白いですよ。 |
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司会: |
なんかニコニコ笑ってるから私たちも期待して来ました。 |
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石井: |
僕もね、よくわからないんです。 ただなんかああいう画が欲しいなっていうか、この辺のストーリーで見てたら、僕が観客だとしたら、わぁーっ!と何かしたいんだよなみたいな感じがあって、考えたっていうか、あのヒマワリを見たくて、ああいう悩みを考えたみたいな感じでしてたんで、それが何だ?と言われても、何だかわからないっていうか。 ただなんかね、お父さんの催眠術の調べ物をしているときに、ある種のコンプレックスっていうか、何かを持っている人たちが、それから抜け出すための方法として、なんかすごいそのコンプレックスみたいな物を自分の体の中に入れて、瞑想法としてね、そいつを大きくして行って、地球よりでっかくなって行くと、その自分の嫌だったこととかが抜けるって話とかが書いてあるんです、色んなところに、それだとしたら、本当はデカイ幸子があの幸子をこう抱え込んで、それでだんだん薄くなって行くってのが、もう論法的にはそういうので正しいのだけれど、医療的にはね、精神医学的には、だけど、それではあんまりなんか華がないなっていうことで、ヒマワリにしたっていうか、いつも彼女がふと気にしているものが花だったりとか、テレビのそういう「ちょっと待ってください」みたいなふうにこう花があって、自分があったりとか、潜在意識的になにか花に助けられるっていうことを、きっと何となく思ったのかなぁ?みたいな感じでずっと僕も書きながら思ってて、それでこう、大きい幸子で最後に宇宙を絡めるのじゃなくて、花にしたわけですよね、そういうことなんです。 なんとなくいい?それで。 |
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司会: |
そろそろお時間が近づいてきましたけど、石井監督とこうやって話してると面白いですよね、なんとなく絵コンテでこう作品っていうのを全体的に捉えてる感じなんですかね? |
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石井: |
そうですね、画ですね、だからその映画館って二次元の白いでっかいキャンバスみたいなもんじゃないですか、それを見るときに、何が面白いんだろうな?っていうのだけですね、僕が考えるとき。 そのストーリーがどうこうじゃなくて、何が面白いんだろうなって、自分が何が見たいっていうか、それだけなんですね。 あとは映画で何をどう、せっかく映画だから、何かこういう画が作りたいとか見たいとか、あとからですけど、そういうのが入って、整合性をつけるために話を作ったりとか、そういう感じなんですね、僕は、絵本見てるような感じで出来上がるといいなぁみたいなところもあるんで。 |
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司会: |
そうですか。 それで、カンヌにもね、これを持って行ったわけなんですけど、どうでした?カンヌのお客さんたちに。 |
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石井: |
あんまりその、今回しか試写会は見てないんですけど、僕が日本で見たときの試写と同じくらいの感じで普通にワァーッて。 あとは全然日本ではウケなかった、ウンコを我慢してる子供のシーンとか、催眠術かけるところでもなんか爆笑してるんですよね、逆に有難かったですね。 逆上がりが成功して、みんなでワーッと拍手したりとか、そうなんだ、そういう見方があるんだと思って、ちょっと勉強させられましたね。 |
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司会: |
そうですか。 それで公開も来月ですよね? |
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石井: |
はい、そうですね。 |
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司会: |
はい、頑張っております。 一つ、これは皆さんも楽しみでしかたないと思う。 私これね、最高!って思ったんですけど、「山よ」DVD、作ったんですって。 ちょっとこれ説明してください。 |
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石井: |
これね、めったにないんですけど、スタッフがすごい好きな人がいて「山よ」が |
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司会: |
私もそうですよ。 |
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石井: |
それでどうしても「山よ」だけのやつが見たいって、\980で売るんですけど、\980だったら買う!みたいな感じで、みんなが勝手に作ったんですよね。 だからこれは「山よ」と「山よ」のメイキングと、「山よ」はどうやって踊ればいいのかって。 あと「三角定規の歌」と「あなた」を入れて、歌だったら三つ入っている、だから\980だったら売れるんじゃねぇかって、スタッフがいきなり作ったんですけどね。 |
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司会: |
じゃ、これちゃんとビデオクリップになってるんですね? |
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石井: |
なってますよ、ちゃんと。 それも「山よ」を歌ってる3人だけのに僕が編集し直して、わざわざ。 | |
司会: |
あ、これじゃなくて? |
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石井: |
し直してくれとか言われて、そうそうそう。 まぁ面白そう、面白かったですけどね、これがけっこう。 |
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司会: |
これはすごいですよね。 これ、公開日の前の日? |
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石井: |
そうですよね。 |
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司会: |
7月の16日? |
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石井: |
そうですよね、前の日って言ったらそうですね。 良かったら。 |
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司会: |
へぇー、いやいやいや、だってこれねぇ、詞も石井監督が考え出して。 でも振り付けは違いますよね? |
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石井: |
振り付けはね香瑠鼓さんですね。 友達3人いたら、これを覚えたら面白いですね。 一人だとね。 |
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司会: |
これちゃんと我修院さんたちが教えてくれてるんですか? |
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石井: |
我修院さんたちじゃなくて、我修院さんたちに教えた振付師の人たちが教えてくれるんです。 |
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司会: |
はぁー、なるほどねぇ。 相当興味が湧いて来ました。 私たちもしかして今日のねぇ、最後のコメントのこれが一番インパクト入ったかもしれませんね。 |
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石井: |
あと我修院さんが途中で腰悪くしたのが、メイキングとかで入ってたりして。 そういうのはけっこう面白いですけどね。 |
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司会: |
はぁそうですか、わかりました、楽しみにしています。 じゃあ最後に、もうねぇ、監督にメッセージって言っても、そのメッセージは見ればわかるんでってみんなに言われるので、私も聞きたくないんですけど、言い残したこととかあったら。 |
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石井: |
そうですね、まぁ面白かった人はなるべくその他の人とかにも言ってあげて、あとBBSとかあるじゃないですか、あれけっこうスタッフとか役者の人みんなチェックしてるんで、なんか面白かった人は褒めてあげてくれると、みんな喜ぶかなと思うんで、そんなことしてくれると嬉しいですね。 |
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司会: |
「茶の味」のホームページにアクセスして。 |
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石井: |
そうですね。 ネタバレはしないように、よろしくお願いします。 |
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司会: |
とういうわけで、石井克人監督でした。 どうもありがとうございました。 |
更新:2004.06.13(日)
obuchi@yk.rim.or.jp