TA070821

「サッド・ヴァケイション」プレミア@大阪

[もどる]

8月21日、「サッド・ヴァケイション」プレミアキャラバン第二夜は大阪、シネリーブル梅田にて舞台挨拶が行われた。

ご出席(敬称略)
青山真治監督
浅野忠信(白石健次)
石田えり(間宮千代子)
津田なおみ(司会)

浅野さんのいでたち
  • 脇を刈り上げた短い髪/うっすら髭
  • JDロゴ刺繍プリントT(白)
  • カーキのフード付きカーディガン
  • 細身の黒パンツ
  • 黒の編み上げブーツ

<上映前の舞台挨拶より>

司会: それでは一言ずつご挨拶いただきましょう。
まずは浅野のぉただのぶさんです、お願いします。

浅野: どうも浅野の忠信です(笑)

司会: ごめんなさい! 本当にすみません、しょっぱなから。 

浅野: いや、もう今ので緊張が解けてありがたかったです。

司会: いじられるとは思いませんでした。 そういうキャラだったんですね、あさののただのぶさんは。

浅野:  いやいやいや、あさののただのぶで。 もう本当に嬉しいですね。 今日は大阪でインタビューをたくさん受けて来まして、それでインタビューしてくれる人たちがすごく良く映画を見てくださっていて、質問がすごく面白かったんですね。 ですから、あ!大阪の人たちはひょっとしたらすごくこの映画を楽しんでくれてるんだなと思ったんで、皆さんにも楽しんでもらえれば嬉しいなと思います、ハイ。

司会: ありがとうございます。
石田えりさんでございます。

石田: どうもこんばんは、石田えりです。 お暑い中本当にありがとうございます。 えーっと

青山: すいません、いつもこういう人なんです。

司会: 映画をご覧になりましたよね?出来上がった作品を。 その辺のご感想などを、今ちょっといただいて良いでしょうか?

石田: 私のですか? 

司会: はい。 今からご覧になる皆さんに何か。 どんな映画なんですか?

石田: それは...見る人によってかなり、別物になるくらい見方が、一人一人の見方に左右されるんですよね。 面白い映画ですよね?監督。

青山: はい?

司会: これから皆さんにはね、お楽しみいただこうと思いますけれども。
では、今「はい」とお返事していただきました青山真治監督でございます。

青山: 大阪の皆さん、こんばんは。 青山の..青山「の」ちゃうやん(笑)青山でございます。 はじめまして、どうぞよろしくお願いいたします。

司会: さぁ三名お揃いになりました。 何かちょっとまだダラダラな感じしますけれど、これからまとまって行きますんで、よろしくお願いします。 
青山監督の新境地と言われているような、そんな映画ですね?

青山: 新境地と言うよりも、今までどうしてもやりたかったことを、全部実現させていただいたと言った方が良いかもしれません。 

司会: ええ、皆さんはよくご存知の、これまでの「ユリイカ」という作品と「Helpless」という作品、二つが合体しているというか、ミックスされているというか、こういう感じのがずっと撮りたいという感じがおありだったんですか?

青山: というよりもですね、このミックスがやりたいわけじゃなくって、何か浅野忠信さんというすごい、とんでもない俳優さんがいて、この人が大暴れする映画がいつか撮りたくて、その第一弾なんですね。 ずっとそう思ってて、それをようやく実現して、しかもその相手が石田えりさんという、また僕が本当に子供の頃から恋焦がれ(笑)って言うと絶対怒るからさぁ、子供ってね、大学くらいからね、憧れの的だった人に会えるっていう。 これがやっぱり俳優さんが素晴らしく輝いている映画ってのが撮りたいなぁと。 そのためには僕が大好きじゃなきゃいけなくて、大好きな人たちばっかりに集まってもらって作った映画ですよね。

司会: 石田えりさん、今のお話は、大好きな人に集まってもらって、でもちょっと浅野さんのお母さん役っていう感じは、最初は、え!?って感じはなかったですか?

石田: そうですね、やっぱりね、13歳しか違わないんで、母親に見えるでしょうか?って監督に聞いたら、大丈夫です!って

青山: いや、それは演技力。 色んな年齢がどうのこうのってだけじゃないんです。 演技力なんですよ。

石田: そういうことです。

司会: 石田さんは、青山監督はよく知っていらっしゃって? 作品は、出られるのは初めてですか?

石田: 初めてです、はい。

司会: イメージと、実際にこうお仕事をされた監督は、何か違ったところってございましたか?

石田: 監督にも言ったんですけど、監督のイメージは何かダサイなっていう。

司会: え!?

石田: 作品じゃなくてですよ。 作品はもうかっこいいんですけど。 だから作品と青山監督のイメージのギャップが私の中ではすごくって。 今回ついに重なりました。

司会:  おしゃれな感じが、重なって

石田: 結婚して、ずいぶんおしゃれになりましたね。

青山: あ、そういうこと? 僕単体じゃなくて? あぁ、わかりました。

司会: 浅野さんはね、もう10年前から青山監督のことを良くご存知で?

浅野: そうですね。

司会: 久しぶりにまた映画に出られたら、監督のイメージとか変わってましたか?

浅野: そうですね、ただ僕も「Helpless」って映画を撮ったときに一緒だったんですけど、あのときはどうだったかな?って、まぁ痩せてはいたんですね。 痩せてはいました。

司会: 若かったですか?

浅野: はい。 本当はこの間、この「サッド・ヴァケイション」撮ってたときに、監督、この腹どうなんですかね?って言ったの覚えてますね。

青山: おかげ様で10キロ痩せさせていただきました。 

浅野: 厳しく、厳しく。

青山: また5キロ増えました。 また5キロ減りました。 今3キロ戻ったところですね。

浅野: はい、減量は危険なんですね、リバウンドするのは。

青山: ね。

浅野: はい。

司会: 現場はやはり厳しい感じですか?

浅野: いや、

司会: お任せって感じですか?

浅野: あの、本当に自由にはやらせてもらってるんですけども、でもやっぱり監督も何か常に考えてくれてて、それで何かこう、それも先にどんどん、どんどん救ってくれるような感じがあるんで、それを見てたらやっぱり、何かこう、自分もやっぱり何かまだあるんじゃないかって気持ちにさせられるんで、そういう意味では本当に、何か一緒にやっているよなって感じが、はい。

司会: また10年前と同じ役柄を10年後に出来るっていうのもね、なかなかないことですね。

浅野: はい、ないですね。 面白いですね。

司会: ねぇ。 10年目にまた作品を見られたとかは、そういうことはされたんですか?

浅野: それはしなかったですけども。

司会: そのまま入って来る感じで?

浅野: そうですね、もう7年くらい前に、カンヌ映画祭で「ユリイカ」を見て、何でここに健次がいないんだ!?、健次っていうのは僕がやってる役なんですけど、いないんだ!?って思いがあったんで、そこからやっぱりまたいろんなことが始まったみたいですね。

司会: ふうん。 石田えりさんとの共演はいかがでしたか?

浅野: もう、本当にさっきからお話聞いてる通り、ズバッと、監督ダサイとか、ズバッとやっぱり言うんで。 男だからか何でだかわからないですけど、みんなに話しとかしていると、「あぁ、そうですよね」、自分の心の中ではそうじゃないんだけど、何となくそうですよねって言っちゃってる自分がいたりするんですよ。 そういうときにパッとえりさんを見ると、「はぁっ!?」って顔してたりするんです。 「違くない!?」みたいな。 それがやっぱり僕はもうすごい嬉しくて、ええ。 一度、ですから北九州で食事に行った帰りにバーに行って、そこのお兄ちゃんがすごい俺のファンだって言ってて、ちょっと俺も得意気だったんです。 で、えりさんも、「浅野君、サインしてあげなよ。」ぐらい言ってたんですよ。 俺も「いいっすよ」なんて言って。 それでDVD出したら永瀬さんのだったんですね。 「それ違くない!?」って、ソッコーで突っ込み入れて、もうすごかったですよ。

司会: 石田さんにも浅野さんと共演したご感想を伺いたいと思います。

石田: そうですね、ご感想、現場ではあまりしゃべってないもんね。 けっこう、あんまりしゃべらないでボーッとしてるんですけど。 面と向き合うシーンが多いんですけど、面と向き合ってても、交流してるのかどうか微妙な感じが。

司会: というと、どういう感じですか?

石田: 言わない(^^;

司会: いやだぁ(笑)、かっこいいな、この辺りが、ねぇ。

石田: だから、そうですね、もっとこう、そういう雰囲気で交流したら、もっと何か楽しい..、違うんです、それはただ単に仲良くなれたというだけで、仲良くはなれませんでしたけど

青山: どんどん泥沼にはまってるんですけど、大丈夫ですか? 後で拾い起こしますからね。

石田: でもすごいその緊張感が楽しかったというのはあります、うん。

司会: スクリーンからも皆さん感じ取ることが出来るかもしれませんね。
最後に一言ずつ、これからご覧になるお客様にご挨拶をいただいて、映画の上映に入りたいと思います。 
では、お願いします。

浅野: そうですね、本当に、まぁさっきも言ったように、11年前に僕がやった役をまたやっていまして、そういうことは本当に自分の中でなかったので、非常に集中して役に取り組むことが出来たんですよね。 それが自分でも嬉しかったですし、自分の中でも何か、あるものをすべて吐き出したような気がしたんで、その辺をぜひ皆さんに見て欲しいなと僕は思います。 よろしくお願いします。

石田: そうですね、どんな映画を見せるにしろ、どんな芝居を見せるにしろ、初めて人に出会ったときのような、自分のそのときの精神状態とか、そのときによって、受ける印象がすごく変わってくるので、映画を見ながら、今の自分自身を味わってほしいなと思います。

青山: とにかく、こういう二人の素晴らしい役者さんたちと、お二人だけじゃなくて、家族の役者さんも一緒に全力で作った映画です。 本当にこれが最後になってもいいという思いがあるくらいの力を込めて全力投球しました。 色んな見方が出来ると思いますけど、そんなものだというふうに思っていただきながら、見ていただければ幸いです。 よろしくお願いします。

司会: ありがとうございました。


[もどる]

更新:2007.08.24(金)
Kaori