司会:
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「MONGOL」主演、チンギス・ハーンを演じられました主役の浅野忠信さん、ジャパンプレミア、本当に本日はおめでとうございます。
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浅野:
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どうもありがとうございます。
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司会:
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それでは早速、会場の皆様へご挨拶をお願いいたします。
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浅野:
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えー、本当に皆さん今日は来てくださってありがとうございます。 本当に自分はこの日を楽しみにしていました。 日本でずっと、日本映画に育てられて、世界にこうやって少しでも行くことが出来て、それでセルゲイ・ポドロフ監督と出会って、このような作品を撮れて。 最初はちょっと日本の公開がずっと決まらなかったので不安に思ってたんですけど、アカデミー賞とかそういうことをきっかけに日本の人に見てもらえるっていうチャンスをもらえたので、やっとこうやって見てもらえるんだなって、本当に嬉しく思います。 自分でも本当に大変な思いをしてこの作品に取り組んでいたので、存分に楽しんでもらえれば、それが一番嬉しいです。 ありがとうございます。
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司会:
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ご自分でも大変な思いをして撮影に臨まれたということなんですが、撮影に入る前に4ヶ月ほどモンゴル語の特訓と乗馬の特訓と、それから殺陣もやられたそうなんです。 どれが一番大変だったんでしょうか?
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浅野:
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そうですね、そのどれがってことはいえないんですけれども、最初に、そうですね監督と出会ってすぐにやっぱり、これはもう乗馬の練習しなければいけないなと思って、それですぐに日本の乗馬クラブに通い出して。 それと同時にやっぱりモンゴル語もそういえばやんなきゃいけないなということで、すぐに日本在住のモンゴル人の先生にモンゴル語を徹底的に教えてもらって。 やってるうちにやっぱりその色々、まぁちょっとこの短い期間じゃ不可能だなと思うことがたくさんありまして、というのは発音がやっぱり多いので、その辺をやっぱりこの短期間でやると、ちょっと台詞を覚えるのが後回しになっちゃうので、そこからは気持ちを切り替えて、ちょっと暗記して、なにしろそれをきちっと覚えなきゃなと思って、やり出したんですね。 それで最初の撮影がありまして、そこから撮影が終わって、1年くらい経って、次の撮影があったんですけど、その2回目の撮影の寸前に全部台本が変わりまして、そのときにもう1冊台詞を覚えなきゃいけないっていう、それが1週間前にあったので、1週間前にもう1冊覚えるのか!?と思って、それは非常に大変でしたね。
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司会:
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それを聞いたときの心境というのは、正直どんなでした? やってられないよ!とか
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浅野:
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いや、もう笑うしかなかったですね、逆に、これはもう、そういうことなんだと思って。 こういうときが何かあるんだなと思って。 逆にこう、なにくそ!と思って、やるだけやりましたけど、ハイ。
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司会:
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そして監督がロシアの方で、主演の浅野さんは日本の方で、それから各国のスタッフの方が本当に色々な国の方が参加されてて、現場のコミュニケーションをとるのも大変だったんじゃないかと思いますが、ご苦労はありませんでしたか?
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浅野:
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まぁ多々苦労はありましたけども、でも、みんなやっぱりその、それでもすごく愛情を持って僕に接してくれていたので、お互い気に入らないことははっきり言い合って、それでまぁ気に入らないことはたくさんありつつも、最後はやっぱり解かり合えるというか、大変だったなぁなんてみんなで言って、でもそれがやっぱり今は本当こういう素晴らしい結果に結びついてくれてるんだと、多分みんなモンゴルの友達とか中国の友達とかカザフスタン、みんな大喜びですね。
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司会:
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色々な思い出があると思いますが、もし特に印象的だったことを一つ挙げるとすればどんなことでしょうか?
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浅野:
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そうですね、その国によって食事スタイルというか、違うなと思って。 例えばモンゴルの方たちは食事の席でみんな一人ずつアカペラで歌ったりするんですね。 何かこうアサノの歌を聞かせてくれみたいな感じで始まって、こう一人ずつ、じゃ歌おう!みたいな感じで一人ずつ歌ったり。 逆にそのロシアの人とかは一人ずつスピーチするんですね。 今回の映画でこういうふうに監督と出会えて、こういう素晴らしい仕事が出来て誇りに思うみたいなスピーチを一人ずつやりだして、面白いなぁと思って。 日本ではあまりこう食事の席で一人ずつ立ち上がって何かやるということはないと思うんで、その辺は面白かったですね。
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司会:
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ちなみにお歌は何を歌われたんでしょうか?
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浅野:
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もう最初びっくりして、これ何を歌うんだろ?自分はと思って。 ひょっとしたらその海外の人も知ってるかもしれないと思って、「翼をください」とかそういう歌を歌ったのを覚えてますけど。
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司会:
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ウケましたか?
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浅野:
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いや、全然。 歌ってるなくらいで。 何か本人、自分たちが歌いたいだけなんですね、あれ。
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司会:
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でも監督が、本当にモンゴルの俳優さんたちから、まるで浅野さんはハーンのように尊敬されていたんだというふうなことをね、おっしゃっていたそうですが。
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浅野:
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やぁ、でも本当にモンゴル人の友達にはずいぶん助けてもらいましたね。 本当にむしろ僕等が本当に助けてもらって、ハーンの下にいるような感じでしたけど。 それでもまぁやっぱりモンゴルの映画ですし、衣裳の着方だとか、モンゴル語も含めて生活習慣とか全部モンゴル人に聞くしかなかったですよね。 そこでやっぱり僕等すごく可愛がってもらって、食事行っても、もう全部、そのとき僕の方がお金持ってたりしても、絶対おごってくれるし。 本当に変な話、相乗りしたタクシーで、同じタクシーに乗ってた全くその日初対面の人とかが、「お前の分俺が出す。」とか言って、出してくれるような人が多かったんですよね。 だから本当にモンゴルの人には助けてもらいましたよね。
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司会:
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何か本当に、人間、兄弟なんだなぁなんて感じが、思ってしまいますよね。
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浅野:
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そうですね。 何か本当にストレートなコミュニケーション、言葉なしでもわかりあえるコミュニケーションがありましたよね。
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司会:
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一つ伺いたかったのは、あの撮影は順撮りしてらっしゃるんですか?
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浅野:
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いや、順撮りではないです、はい。
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司会:
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ないですか。 もう次第次第にチンギス・ハーンがたくましくなって、風格を増して行く様子がね、ものすごい伝わって来て、素晴らしいなと思いました。 これから皆さんにはご覧いただくので、あまり詳しくはお伝え出来ないんですけれども、そうなんですか。
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浅野:
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はい。
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司会:
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そこで俳優さんの凄みを何かちょっと改めて感じますが。 ありがとうございました。
さてもうお一方、今日は素敵なゲストをお迎えしておりますのでお呼びしたいと思います。 浅野さんの事務所の後輩の方でいらっしゃるんですが、実はアカデミー賞については1年早く助演女優賞に昨年ノミネートされまして、レッドカーペットを歩まれましたこの方、先輩のお祝いに今日は駆けつけてくださいました。 菊地凛子さんです、どうぞお願いします。
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<菊地凛子登場>
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<花束贈呈>
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司会:
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では花束を渡していただきました菊地凛子さんからお祝いのメッセージをお願いします。
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菊地:
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本当におめでとうございます。
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浅野:
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ありがとうございます。
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菊地:
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私自信も本当に自分のことのように嬉しかったというか、私はこの作品をちょっと皆さんより一足先に見せていただいたんですが、まずこのチンギス・ハーンという役であることや、モンゴルでのそういう海外の人たちとのことを考えた時点で、まずどうしようかな?って多分思われるところだと思うんですね。 しかし苦境のところに挑戦して行く浅野さんの姿勢というところがやっぱり私自身最も尊敬出来る部分でもありますし、こうやって浅野さんに花束を渡せたのも、女優やって来て良かったなという、思う部分でもありましたし。 そういう意味では常に前にいてくれる先輩として、そしてとても身近な先輩として、本当におめでとうございますと、色々教えていただくことに感謝しています。
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司会:
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ありがとうございました。 菊地凛子さんからお祝いのメッセージをいただきました。
けっこう照れくさそうにね、浅野さんがね今聞いていらっしゃいましたが、ご感想は?
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浅野:
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めちゃくちゃ嬉しいですね、本当に、ええ。
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司会:
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ねぇ、良いですね、何か先輩後輩のシーンがね、見させていただきましたが。
ちょっとアカデミーのお話を伺いたいんですが、菊地さんが1年前にレッドカーペットを歩かれましたが、そのときのお気持ちというか、世界中のマスコミから注目されたその雰囲気をちょっと教えていただいてよろしいでしょうか?
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菊地:
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いやもう、舞い上がってしまったのが、あのときは冷静になろう!というふうに思っていたんですけど、よく考えたら、すごく舞い上がっていたのを思い出すというか、あまりにも多くの人がいて、もう色も色彩も一杯あるところで色々な人に声かけられて、もうわーっ!っていう、もう何が起きていたのかわからなかったというか、そういう印象が強かったんで、浅野さんの映像を見たときに、あのちょっと遊びに来ました的な、本当にラフな浅野さんを見たときは、うわぁ、やっぱり流石だなと思ったのを思い出しますね。
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司会:
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というふうにおっしゃっておりますが、浅野さん、今年歩かれたばかりでしたが、いかがでしたでしょうか?。
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浅野:
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多分ね僕と凛子ちゃんじゃ全然置かれてる状況が違ったと思うんですよね。 彼女はやっぱりきちっと一人でノミネートされてたわけですから。 僕はもう作品として行ってたんで。 しかも女性ですから注目の度合いも違うと思いますし。 そういうんでは僕はもうちょっと気が楽だったというか、何かあったら監督にお願いしようっていう感じがあったので、そういうところはあると思いますけど。
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司会:
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でもやはりレッドカーペットの歩き心地は良いものでしたか?
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浅野:
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あのやっぱりすごくみんなが祝福してくれてて、そういう中で歩いてると、やっぱり自分たちが楽しんでもらえてるんだなっていうか、そういう作品を撮ったんだなというような気持ちは強くなったんで、それは嬉しかったですね、はい。
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司会:
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ぜひこれから何度も何度も経験してくださることをね、私たちファンも楽しみにしております。 本当にありがとうございました。 そしておめでとうございます。
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<フォトセッション>
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司会:
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それでは最後に浅野さんから今一度お客様へメッセージをお願いしたいと思います。 よろしくお願いいたします。
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浅野:
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そうですね、僕自身この映画出来たときに、見たとき、監督が徹底的に諦めずに作品を作り上げたという思いが伝わって来ましたし、そこに描かれたチンギス・ハーン自体もやっぱりその決して諦めることなく、自分の家族とそういうものを大切にして生きていく男の話だったんで、それで何か物事を諦めずに取り組むっていうことをこの映画で受け入れてもらえれば、それは嬉しいなと思います、はい。 今日は本当にありがとうございます。
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司会:
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ありがとうございました。 すばらしいチンギス・ハーンに出会えました。 浅野忠信さん、そしてお祝いに駆けつけていただきました菊地凛子さんでした。 ありがとうございました。
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