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東京ファンタ'99 『地雷を踏んだらサヨウナラ』

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11月1日、東京ファンタスティック映画祭でチーム・オクヤマ・スペシャルと題し、「地雷を踏んだらサヨウナラ」が先行上映された。
1000人以上のキャパ(本上映館の10倍!)のある、広い広い渋谷パンテオンが超満員。映画祭主催(司会)の小松沢プロデューサーの熱い挨拶に始まり、プロモーション、舞台挨拶、プレゼント抽選(劇中衣装&ポスター)と続き、最後は特大スクリーンでの映画上映。華やかなお祭り気分の中で、チーム・オクヤマの門出が祝われた。

(本編上映前の舞台挨拶より)
<拍手>
<五十嵐匠監督、浅野さん、ステージ下手から登場>
(今日のアサノはモデルさん風でcool!)
    浅野忠信さんのいでたち
  • 「五条霊戦記」の余韻を残す、ミストでセットした、長いザンバラ髪
  • 髭なしのすべすべお肌
  • オレンジ色のモヘアのセーター
  • ブルーブラックの細身のジーンズ(Esquireで着用と同じ、ロンドンで入手のものか!?)
  • スニーカー(見えない(;_;))

司会: それでは、監督の五十嵐匠監督からご挨拶にしたいと思います。僕、この映画で、ちょっと楽屋で言ったんですけども、出てくるアジア人達の顔がとってもいいんですよね。五十嵐監督、ご挨拶をお願い致します。
五十嵐: えっと、今日は本当に皆さん、たくさんの方々に集まって頂いて、ありがとうございました。泰造さんが亡くなったのは今月の末です。それで、日大の芸術学部に通っていたときから、渋谷で相当彼は遊んでたようです。非常に今、この劇場の上からも、泰造さんが見ているような気がします。本日は本当にどうもありがとうございました。
<拍手>
司会: そして、ご紹介する必要もないけど、浅野忠信さんです。僕、この映画を見て驚いたのは、浅野さん、とってもパワーのある役者だから、どうしても、ちょっとエキセントリック寄りの役が多かったと思うんです。でも、ここには、なんかこれが本当の浅野さんの姿じゃないかなっていう、等身大の浅野さんがいて、それがとっても気持ちが良かったです。浅野さん、ご挨拶をお願い致します。
<拍手>
浅野: 皆さんどうもありがとうございます。浅野です。えー、丁度去年の今ごろ、まだ撮影がやってたくらいですかね。それで1年たって、やっと皆さんに見てもらえる日が来たのをすごく嬉しく思っています。どうぞ、楽しんで行ってください。
<拍手>
司会: あの、監督、一つ質問いいですか?僕さっき、この映画、いろんな国が混じって、いろんな国の方々が出てきて、それがプロの役者なのか、アマチュアなのかわからないですけど、一人一人の顔がすごく魅力的だったのがびっくりしたんですが、それは役者さんなんですか?
五十嵐: えっとあの、ベトナム人の役者さんは非常に有名な、フランスで活躍、ベトナムで活躍している方で、カンボジアの方も非常に有名な方なんですが、他の方々はみんなそれぞれそこの国で一生懸命働いて、生きてらっしゃる方なので、それがもう非常に、表情に出てて、すごくオーディションしても、素敵な人達ばかりだったと思います。
司会: 浅野さんにもちょっとだけ質問させていただきます。あの浅野さんて、ごめんなさいね、僕、誠実な不器用な方だと思うんです。というのはどういうことかって言うと、何か、役を与えるとそれにのめり込むっていう方だと、勝手に思ってますけども、この主人公を演じてどうだったでしょうか。
浅野: そうですね、あの、実際にいた人の話というのは、僕初めてだったんで、その部分で、あの、やっぱりどうしても、何かそこに縛られちゃうときがあるというか、本当の泰造さんはどうなんだろ?っていつもやっぱり考えちゃったんですけど、今になって考えると、やっぱり、むしろそれは気にしなくてもよかったのかなと思ってるんですけど、そういう部分で、何か、やっぱ、どっか、いつも考えちゃうとこはありましたよね。
司会: ま、でも、皆さんすごく感じてると思うんですけど、演じているって感じがしませんでした。あの、素直に引き込まれました。ごめんなさい、つまんない質問しちゃって。
浅野: いえいえ。
司会: それでは、もったいぶらずにお呼びしたいと思います。チーム・オクヤマのエグゼクティブ・プロデューサー、奥山和由さんです。拍手でお迎えください。
<拍手>
<奥山和由プロデューサー、客席通路から登場>
奥山: どうもありがとうございます。
司会: すいません、この映画祭ではいろんな方が入れ替わり立ち代わりに映画を見にこられるんですけど、ちょっと入り口で聞いたんですけど、今日は、ごめんなさいね、勝手に名前呼ばさせていただいて。今日は三輪明宏さん、高田順次さん、阿部寛さん、ヤジマケンイチさんも来てるんだ、それからトウノ..あ、「すずらん」の主演女優さんだ、僕ファンなんですね(笑)、クラリオン・ガールのハヅキさんも来てますね。そして「ふたりっこ」のオオイシイシズさん、そして佐伯日菜子さんなんかも来てます。ですからやっぱり奥山さんの映画っていうのは、みんな見たいんだと思います。え、奥山さん、皆さんのこういう期待に対して、今の奥山さん、どう応えてくださいますでしょうか。
奥山: はい、いや、私の映画というよりかは...監督、浅野さん始めとしてみんなで作った映画ですけれども、何か...胸がいっぱいになってしまってですね、さっき小松沢さんのお話なんか聞いてて、ちょっとね、頭がカッと熱くなったんで、言葉がみつからないんですけれど、そうか、周りに「熱気」を作ってきたのかと思いながら、一番熱気を作ったのはあの解任事件じゃなかったのか(笑)という気がしてみたりしながらですね、本当にもう、こういう風に舞台に立つのが今村昌平監督の「うなぎ」のときいらい、もう、2年半振りですか、2年半経って、自分も2年半いろんなことありましたけれども、こういうところで、あらためて立ってみると、全然感じることが違うんですね。あたりまえの話だけれども、作りたい映画を作って、こうやって皆さんに見ていただけるっていう幸せを本当に幸運だと思います。もちろん、本当に過酷な撮影をやってくださった監督を始めとしてのスタッフの方々、それからノーギャラでも出たい、この映画にどうしても出たいと言ってくれた俳優さん達、それから、先ほどからチーム・オクヤマの話をさせていただいていますけども、こんな私でも、一生ついていきたいと言ってくれるチーム・オクヤマの面々、一人一人感謝したいと思ってます。それから、私を何か息子のように可愛がってくれた、一ノ瀬泰造さんのお母さん。何か、この映画に関して、ま、本当に浅野さんは一ノ瀬泰造さんとそっくりなんですけども、実物の一ノ瀬泰造さんの生まれ変わりだという風に、お母さん、お父さんに会ったときに初めてそういう風におっしゃったぐらいです。ただ私は全然こんなカッコ良くありませんし、全然姿形違うんだけども、「息子を思い出す、息子を思い出す」って言ってくださったんですね。で、「どこがですか?どこが似てるんですか?」「何か破滅型だ」と(笑)。「やんちゃなんだけども、どうも先行き、どっか躓くんじゃないかっていう気がする」という風に言っていただきました。それで時々、今でもお電話いただいて、「元気?風邪引いてない?」とかって、本当母親のように言ってくださいます。でも、そういう風に結び付けていただいて、この企画を私の手元に収めてくれたのは一ノ瀬泰造さんの魂だと思っています。本当に何度もこの企画は私の手から離れました。解任事件のときも、触ることすらできないという時期がありました。でも奇跡を、奇跡に奇跡を重ねて手元に戻してきてくれました。これはやはり一ノ瀬泰造さんが、まぁ、お母様がおっしゃってたんですけど、私にやれといってくれてるんだという風に思っています。ですから、この映画が出来上がって、お母様にご覧いただいたとき、「息子に久しぶりに会えましたよ」っていう風に一言笑っておっしゃってくださったときに、私の仕事は終わってると思ってます。だからかつてのような派手な宣伝はしません。宣伝費がないということもあります。でも、本当に映画等身大の形で一生を過ごしてくれればいいと思っています。それから、最後にこうやって、こんな大きな劇場を満席にしてくださって、時間を割き、お金を費やし、それから心を費やして集まってくださった一人一人のお客様達、それから、お忙しい中いらしていただいたゲストの方々、本当にありがとうございました。心より感謝いたしております。ありがとうございます。
<拍手>


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更新:2001.11.09(金)
obuchi@yk.rim.or.jp