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遂に東京上陸!『白痴』舞台挨拶

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11月13日、新潟ですでに封切られている映画「白痴」が遂に東京に上陸する。
初日舞台挨拶のある渋谷シネパレスには、寒い寒い前夜から長蛇の列。200強のキャパがあるはず(ただし、縦長)のシネマにはびっしりと立見までが詰め込まれ、超満員の非常事態の中での幕開けとなった。

(初回上映後の舞台挨拶より)
司会: 今日は映画「白痴」の初日にいらしていただきまして、お忙しい中、どうもありがとうございます。いかがだったでしょうか?皆さんはもうご存知だと思いますけれども、この「白痴」は昨年の夏に撮影されまして、当時から話題になっておりました。今年9月、ヴェネチア映画祭、その他ヘルシンキ映画祭、釜山映画祭等数多くの映画祭に出品されまして、各地、各会場で話題にもなり、注目もされている作品です。本日はここ渋谷シネパレス、他にも東京では新宿ピカデリー、横浜ではマイカル本牧等で公開が始まっていますが、今日、その公開初日ということで、監督をはじめ出演者の方にお来しいただいております。
お待たせいたしました、それではお呼びいたしましょう。拍手でお迎えください。手塚眞監督、浅野忠信さん、甲田益也子さん、橋本麗香さん、どうぞお入りください。
<ご入場>
<拍手&どよめき>
(皆さんドレスアップしていて素敵)
    浅野忠信さんのいでたち
  • ロールアップの落ち葉色のニットキャップの裾から出した長い髪
  • うっすらお髭
  • 黒のベルベットのスーツ
  • グレイに黒のチェックのシャツ
  • 黒い革靴

司会: お待たせ致しました。それではですね、早速、いらしていただきましたので、ここで一言ずつご挨拶お願いいたしたいと思います。映画「白痴」の監督をされました手塚眞監督です。
手塚: 今日は映画「白痴」を体験していただきまして、ありがとうございます。こんなにたくさんの方に来ていただけるとは思っていませんでした。すごく感動しています。本当にどうもありがとうございました。
<拍手>
司会: (場内のどよめきに圧倒されたのか?)浅野さん、とりあえず一言。
浅野: え、この映画ができて、一年ちょっと経ってるんですが、やっとみんなに見てもらえる日が来て嬉しく思ってます。ありがとうございます。
<拍手>
司会: (我に返って)そして、甲田益也子さんです。甲田さんなんですが、映画「白痴」、監督からずいぶん前からお話をいただいていたそうで、お話をいただいて、また今回このように初日を迎えることができまして、感想を一言お願いいたします。
甲田: 入る前には、冷静に淡々と役を一生懸命こなして行こうと思ってたんですが、映画に入ってしまうと、そんな淡々としていられなくって、すごいエネルギー...が渦巻いている場だったんで、振り回され、苦しみ、楽しくもあり、すごく人生にとって重みのある出来事となりました。嬉しかったです。
<拍手>
司会: ありがとうございます。そして最後なんですが、映画「白痴」で女優デビューとなります橋本麗香さんです。
<拍手&「かわいい!」の声>
司会: 小さい頃からモデルをやられてきて、今回映画初体験されて、しかもこんなビジュアルの世界で、手塚監督の世界にどっぷり浸かって、いかがだったでしょう?
橋本: 本当は銀河みたいな娘ではないんですけれども(笑)、ホント始めは銀河がなかなか好きになれなくて大変だったんですけれども、台本を何度も読んでるうちに、手塚ワールドに引きずり込まれ、気がついたらずっぽりハマっていたっていう状態だったので。でも、仕上がってみて、自分が一番好きな映画になったので、これだけのみなさんに来ていただけたことをすごく嬉しく思います。ありがとうございます。
<拍手>
司会: もう少し手塚監督の方にこの映画について、エピソードですとか、10年間温めてきた思い、色々あるかと思います、皆さんのにその辺のことをもうちょっと詳しくお話ください。
手塚: はい。あの10年前に、正確には11年前に原作に出会いました。そして、これこそ自分が作らなくちゃならない映画だと、誰か、心の中の神様に言われたような気持ちで、取り組み始めたんですけども、色々な問題、事情があって、10年かかって出来上がりました。10年もかかってしまうと、もう古臭い映画になってしまって、とっても時代遅れな映画になってしまうんじゃないか、それだけがとっても不安だったんですけども、出来上がって、いろんな国で上映して、かなりいろんな皆さんに喜んでいただきまして、ヴェネチアの方では、フューチャー・フィルム・フェスティバル・デジタル・アワードという、その名の通り、なんか未来のための映画のデジタル賞という、大変未来的な賞をいただけたっていうのが、実はとっても嬉しくて、「あぁ、まだまだこの映画古くなってなかったな」っていう気持ちで、実はホッとしてます。
司会: そうですよね。すごい海外でもね、すごい会場からも熱い拍手とか、例えば質疑応答とかで、本当になんか、今までの日本映画とはまた違った反応とかがすごい多かったですよね。すごい嬉しかったんじゃないかなとかって思いましたけど、手応えは、やはりこの会場の皆さんに観ていただいて、いかがでしょう?
手塚: えぇ、今ご覧になっていただいたと思うんですけども、今言いました通り、未来のための映画を目指そうと思って、頑張ってきました。必ずしも、今わかり易い映画じゃないかもしれないんですけども、それは、あえてちょっと未来のことを考えた内容にしています。ですから、今日ご覧になってすぐに感想が出ないんじゃないかと思いますけど、それでいいと僕は思うんです。この先、未来、何年かあるいは何十年か経ってから皆さんが、昔を振り返ったときに、この映画のことをふっと思い出して、「あぁ、あのときあの映画を観ておいてよかったな」って、そんな気持ちになってもらえる映画として出来上がってたら、僕は嬉しいです。
<拍手>
司会: ありがとうございます。
そして浅野さん、去年になってしまうんですけど、数々の映画監督と一緒に組まれてきていて、いざ手塚眞監督とやられてみていかがだったでしょう?この何ていうんでしょう、未来的な映画に参加されて。
浅野: そうですね、その未来的な部分ていうのに僕はそんなに感じてやったわけではないですけど、監督がその、「今まで浅野君出てきた中で、僕が見たことないような浅野君を撮りたい。」って風に言われて、撮影もそういう形で進んでって、自分で見たときにもやっぱり何かちょっと違うっていう気もしたし、そういうものを、なんか出してくれる監督ってのはすごくなんか、ありがたかったでんで、そういう部分でなんか、今監督が言ってたように、なんかある意味で僕も新しい形を作れたってことで、すごく嬉しいなと思ってます。
<拍手>
司会: ありがとうございます。
<拍手>
<花束贈呈>
<マスコミ用撮影>
司会: 本日はお忙しいところありがとうございました。皆さん、拍手でお送りください。
<拍手>


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更新:2001.11.09(金)
obuchi@yk.rim.or.jp