TA060128

祝公開!「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」舞台挨拶

[もどる]


厳しい寒さも一休みの1月28日、「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」が封切られた。 初日舞台挨拶はシネセゾン渋谷とテアトル新宿で1回ずつ。 今が食べ頃のあおい姫をめぐってか、客席は男だらけの舞台挨拶となった。

ご出席(敬称略)
青山真治監督
浅野忠信(ミズイ)
宮崎あおい(ハナ)
岡田茉莉子(ナヴィ:新宿のみ)
筒井康隆(宮城:新宿のみ)
仙頭武則プロデューサー
上田万由子(司会:TFM)

浅野さんのいでたち
  • 長いポニーテール/うっすら髭
  • 黒革(フェイク?)のライダースジャケット
  • 白の長袖T
  • 紺のだぶだぶジーンズ
  • 黒の革靴(最近はこれ)

<渋谷上映前の舞台挨拶より>

司会: それでは早速皆さんから一言ずつご挨拶いただけたらなと思います。 まずは一番手前の青山監督、よろしくお願いいたします。

青山: 皆さん、お早うございます。 本日はこんなにたくさんの方にお集まりいただいて本当に感謝しております。 今までやって来た中で、これ程好きな人達と好きなことを出来たのは初めてでございます。 最高の作品になって、僕としては最高の作品になっております。 皆さんがこの作品を愛してくださることを願っております。 よろしくお願いします。

浅野: 皆さん、今日は本当にありがとうございます。 えっとですね、青山監督とは実は映画でご一緒するのは2回目でして、本当に「Helpless」という作品が初めてだったんですけど、2回目でこんなに、何ですかね、自分の気持ちが違う形で監督に伝えること出来たのが僕は本当に嬉しくてですね、最初の頃は僕も初めて映画で主役というかやらせてもらってた作品だったので、すごい緊張がありましたけど、今回はすごいリラックス出来て、今監督がおっしゃってくれたように、好きなことを僕も出来たように思うので、そういう意味では本当にちょっと変わった映画で、面白いものが出来たなと思います。 よろしくお願いします。

宮崎: 今日は本当にどうも、こんなにたくさんの方に来ていただいてありがとうございます。 私も青山さんとは2回目のお仕事だったんですけど、また青山さんの作品に参加出来たことが本当に嬉しくて、良かったなと思っています。 楽しんで帰ってください。

仙頭: 仙頭でございます。 こんなに朝早くから、こんなにたくさんの方が来てくださって、本当に感無量です。 私も青山さんとは、えー、もう何本やりましたかね?と言う位でございますが、とにかくこのメンバーで、それぞれがそれぞれでやってきたものが一同に揃えたことが本当にこの映画の幸せだと思っています。 この幸せが多くの人に届くように!と思います。 今日はありがとうございました。

司会: 皆さんありがとうございました。
これからねご覧になる皆様に、ちょっとそれぞれに映画について少しお話を伺いたいと思います。 まずは青山監督、良ろしいですか? 今回の映画というのは、私も一足早く拝見させていただいたんですけども、これが西暦2015年の世界中にこのレミング病?と呼ばれる、自殺病のウィルスが蔓延してしまっていて、その自殺病の進行を抑えるのに、実は二人の男の人達が演奏する音を聴くことというのが効くという設定なんですけれども、これはどういうところから思いついたんでしょうか?監督。

青山: まぁ、どういうところですかね?まぁ僕自身が音楽好きなもんですから、音楽といっても、何ていうんですか、ウルサイ音楽が好きなもんですから、ウルサイ音楽を聴いたらきっとみんな大丈夫だ!っていう、すごく短絡的なね考え方でもって、ええ。 先程ね、好きなことをしたと言いましたけど、まぁ好きなことをしたっていうことですね、はい。

司会: 今ね、その監督、うるさい音っていうふうにおっしゃいましたけども、こう優しい、柔らかい音というよりも、どちらかというと激しい音に安らぎを感じるんですか?監督は。

青山: ええ、あの優しい音を聴くとドキドキしてしまうんですよ。 うるさーい音を聴くと、うるさけりゃうるさい程ゆったりとした気持ちになれるんで、ええ。 それはまぁ僕だけかもしれませんけど、いや、きっとみんな慣れると、そういうもんじゃないかなという気がしたりもしてるんですけどね、はい。

司会: 段々ね。 みなさんもこれから作品を見ますけれども、色んな音が登場すると思うんです。 本当に想像力をかき立てるような音色の音が出て来るんですけども、それが自分にとって癒しになって行くかどうか、自分の耳で感じてみてくださいね。

青山: 前6、7列目位の方はちょっと覚悟した方が。

司会: 本当にそうですよね。

青山:  ええ、頑張っていただければ幸いです。

司会: 続いて浅野忠信さんにお話伺いたいんですけども、レミング病の進行を抑える効果があるとされる音楽というのは、実はスクリーンでは実際に浅野さんがギターを演奏されていらっしゃるんですけども、あるシーンがすごく印象的で、だだっ広ーい自然の中で演奏されてましたね、あのときの気分はいかがでしたか?正直言って。

浅野: あの、すごくやっぱり、まぁずっとバンドとかやって来て、そういう何もない所とか大自然の中でめちゃめちゃ大きい音で演奏してみたいなという思いがあったので、本当に気持ち良い思いをさせてもらったんですけど。 ただ僕は別にギターが上手いわけではないので、こんなの演奏じゃねぇよ!と言われたら、ちょっとそれは申し訳ないんですけど。 まぁ一応、でも映画の中では3回目になるんですかね、ギタリストの役というか、実は3回目位で、非常に何か自分の中では、そのギタリストとしての変化を見せられる気がして。 まぁそんなのはどうでもいいと思うんですけど、はい。

青山: いや、ちなみに上手い下手でいえば、もちろん上手いですよ。 上手い下手超えた音が出てると言っていいと思いますね。 ええ、これは真面目な話で。

司会: 耳の中で色んな音に聞こえてくるんですよね、浅野さんのギターが、なぜか。

浅野: そう言ってもらえるとありがたいですね、はい。

司会: 聴いてみてくださいね。

浅野: お願いします。

司会: はい、また共演者もね、浅野さんと一緒に出ていらっしゃる中原さんとの撮影があったんですけれども、どうでしたか?

浅野: はい、中原さんは面白かったですね。 まぁご存知の方はきっと中原さんっていう人は面白いっていうのはよくわかると思うんですけど、もし知らない人は、まぁ本当に暴力温泉芸者でしたっけ?すごく面白い音楽ユニットでライブやってるんですけど、それ以外にも、まぁ小説家ですかね、そういう形でもすごく有名な方なんですけど、僕は俳優として初めて共演させてもらって、仕事させてもらったんですけど、今までやっぱり、こうずっと撮影やって来て、何かこう考えもつかなかったなってことをいきなり提示して来るんですよね。 それで撮影の初日に「浅野さん、どうしてやりますかね?」位のことを言って来て、はぁ?と思って、何がですか?って、「いやいや、この映画ですよ。」とか言って、「どうしますか?」って言うんですよ。 それがびっくりして。 僕はやっぱいつも通り、台本もらって面白いし、そういう気持ちでやれば、普通にいつも通りだと思ってたんですけど、やっぱ何かしてやりましょうよ!ってそういう気持ちでいるんですよ。 それが僕すごく嬉しくて、じゃ、こうしましょう!って言って、じゃ、二人でニコニコしていましょうって言って、もうニコニコしてるんですけどね。

司会: ちょっとニコニコっぷりも注目してください、この後作品で。 ありがとうございました。
お隣の宮崎あおいさん、宮崎さんはレミング病に侵されてしまった女の子という役柄で登場するんですけれども、二人の男性に出会ったことで、少しずつ変わって行きますよね? 宮崎さん自身、日頃の生活の中で、音楽ってどんな存在ですか?

宮崎: えっと音楽は、大体車に乗ったらすぐ音楽をかけるというので、いつも聴いて、毎日聴いてるものでもあるんですけど、音がない世界ってすごい怖いじゃないですか、前に樹海に行ったときに、本当に真っ暗で、音が何もなくて、何かこんな、普段生活してると、人の声だったりとか、車の通る音だったりとか、いつでも音が何かしら聞こえてて、あぁ、音がない世界ってこんなに違うんだっていうのをすごい思ったりしてて。 だから音楽もそうですし、音もそうですけど、すごい大事だなぁっていうふうに思いました。

司会: そうですか。 あの撮影では広い野原で、すごくシンプルに音を聴くっていうことをされてるんですけども、あのときの撮影の現場はどんな感じで、どのような雰囲気だったんですか?

宮崎: 現場はすごい楽しかったので

司会: 楽しかったですか。

宮崎: はい、本当に実際あのときすごい大きな音も流れてましたし、..(観客は)まだ見てないんですよね?

司会: ちょっと種明かしはあまり、ちょこっとなんですけど。

宮崎: そうですよね。 楽しかったです。

司会: 共演者の方との、じゃ現場も楽しかったですか?

宮崎: 楽しかったですね。 待ってる時間とかもけっこうあったので、みんなで色んな、あ!ボーリングしたりもしましたし

司会: ボーリング?

宮崎: はい、スタッフの方とみんなで。 後血液型の話をしたりとか、色々してました。

司会: ちなみに宮崎さんは何型なんですか?

宮崎: O型です。

司会: O型。 そうですか、じゃあそんな話をして、何となくこう現場でわいわいとした感じで作ったんですね。

宮崎: そうですよね。

司会: では続きまして仙頭プロデューサーにお話聞きたいんですけれども

仙頭: はい、私はA型です。

司会: A型ですか。 ちなみに浅野さんは?

浅野: 僕もA型ですね。

司会: 青山監督は?

青山: さて何でしょう?

司会: 何でしょうね? O型な感じもしませんか?

青山: まぁそれは皆さんのご想像にお任せしますけどね。

司会: じゃあご想像にお任せしながら作品を見ていただくということで。
さぁ仙頭プロデューサー、青山監督とはこれまで何作かご一緒されてるんですけども、今回の作品を企画されるにあたって、どういうきっかけで生まれた作品なんですか?

仙頭: 何か一つこの企画に前に1本あったんですが、それが色々な事情でちょっと違うなということになって来たので。 まぁそれと、浅野君とあおいちゃんというのがまず出る何かやろうよと、みんなで、みんなもう一回集まってやろうよということで、、何かないのかねぇ?という話をしたんだな?

青山: はい、はい。

仙頭: で、何かうちの会社でウダウダしゃべっていたら、うーん!っていつも固まるんですけど、彼は一番に

司会: ハイ。

仙頭: 突如むくむくっとして、「とあるところにミュージシャンがいて」って語りだすわけですよ。 で、ひとしきりその語りが行って、まぁ僕が、なるほど!と思ったときにはもうそれが始まるということで、画が浮かぶと、もう始まるという感じですかね。 で、今回はとにかく台本が薄かったので。 「ユリイカ」の、そうですね、10分の1位の厚さでしょうかね。

司会: そんなに薄かったんですか!?

仙頭: 薄かったです、今回、普通の2時間の映画よりも。

青山: そんなには薄くないですよね。 10分の1って

仙頭: 2分の1位? いや、うち並んでるけど、その位あるで、今、薄い。 値段は変わらへんけどね。 印刷代は浮きますけどね。 はい、位薄いということは、何て言うかな?現場の想像力が非常に重要な映画になるということで、そういう冒険が面白かったということでしょうかね、はい。

司会: このレミング病というアイデアを聞いたときに、仙頭プロデューサーはどのように感じましたか?

仙頭: 僕はかかりたくないなという。 ということは、怖い病気だから良いかなっていう。 何か今の時代を象徴している感じもありますんで。 何かすごく物語り全体が今の時代を象徴している、今の世界をですね、ということと、何か未来への希望が最終的には見えるというので、非常に前向きな良い映画ではないかなというふうに思ってます、はい。

司会: 青山監督にお伺いしたいんですが、青山監督にとっては音楽ってどんな存在ですか?

青山: 何でしょうねぇ。 元々は音楽がやりたかったんです。 浅野君なんかがバンドとかをやってるのが本当にうらやましいんですけど。 音楽ないと生きていけないですよ、ええ、私は、はい。 映画もないと生きて行けないんですけどね、ええ。 どうですかね?皆さんね。 何か中原昌也みたいになって、だめだ!すいません、今日中原がいないんで、代わりに僕がね、中原の真似をねしてまとめたいと思いますんで、はい。 もう終わりですか?

司会: 今のね青山監督の音楽への思いとか、言葉じゃない何かをね、もしかしたらこれから見る作品で感じていただけるんじゃないかなというふうに私は思いますけどね、はい。
最後にですね青山監督、これから見る皆さんにメッセージをお願いします。

青山: 本当に一生懸命やって、僕にとっては本当に今までで最も全力投球をした作品でございます。 是非楽しんでいただければ本当に嬉しゅうございますんで、どうぞよろしくお願いいたします。

司会: ありがとうございました。


[もどる]

更新:2006.01.29(日)
Kaori