TA090516

祝公開!「鈍獣」舞台挨拶

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5月16日、「鈍獣」公開。 渋谷シネクイント、川崎チネチッタ、横浜TOHOシネマズの3館で計4回の舞台挨拶が行われた。

ご出席(敬称略)
細野ひで晃 監督
宮藤官九郎(原作)*
浅野忠信(凸やん)
北村一樹(江田)*
ユースケ・サンタマリア(岡本)
南野陽子(順子)*
佐津川愛美(ノラ)*
ジェロ(明)*
下元あきら(司会)
*:渋谷のみ

浅野さんのいでたち
  • サイドを流したセミロング/うっすら髭
  • 紺地にピンストライプの三つ揃い、ポケットチーフ
  • 白シャツ
  • 黒(?)ネクタイ
  • 靴(?)
執事様!

<川崎上映後の舞台挨拶より>

司会: まずはですね、演じられた役所と、そしてご挨拶を一言ずつ頂戴したいと思います。
では監督、まずお一言お願いします。

ユースケ: みんなが、狂ったように手を振ってるんだよね。 すいません、ぶり返しちゃって。

司会: あぁ、そうですね。 お時間設けましょうか?

ユースケ: 手もちぎれよとばかり。 ぶんぶか、ぶんぶかね。 ありがとう、ありがとう。

司会: はい、ありがとうございます。

ユースケ: 俺だけか? 浅野君はやってないから。
じゃあ、監督、ちょっとお願いします。

監督: あぁ、すいません。
映画「鈍獣」監督しました細野ひで晃です。 こんにちは、本日はありがとうございます。

司会: はい、ありがとうございます。
それでは浅野さん、お一言お願いします。

浅野: え、そうですね、見終わった方ですから、話して大丈夫ですね?

司会: はい。

浅野: そうですね、僕は、まぁ今日はこんなきれいなかっこさせてもらってますけど、あの通り、映画の中ではもうちょっとおかしな格好して、ボロボロになりながら頑張りました。 凸やん役やりました浅野忠信です。 今日はありがとうございます。

司会: そしてユースケさん、お一言お願いします。

ユースケ: 土砂降りの雨の中、今日はようこそいらっしゃいました。 このチネチッタがね、ここまで一杯になったのは初めてだそうで、本当にね、嬉しい限りではありますけれども。 え、初めて書いた小説「酔っ払って書いたラブレター」100万部を突破いたしまして、今乗りに乗っております、ユースケ・サンタマリアでございます。 どうもありがとうございます。 もうね、皆さんがね、見終わった後で、もう皆さん泣き濡れた顔をしてますよね。

司会: そうですね、目を腫らされてる方もいらっしゃいますね。

ユースケ: 本当、10人中12人が号泣されたという感じで。 本当、前の方なんかね、ほとんどの方が失禁されてますからね。 スイマセン。 本当に申し訳ございません。 (最前列を見て)何で前の方はこんなにいないんでしょうね? 淋しいなと思ってね。

司会: いやもう、ユースケさんに近付き過ぎると、もう鼻血が出ちゃうじゃないかと思って、今日は2列目からの、はい、お客様にお願いしてます。 ありがとうございます。
それではですね、色々とお話をうかがって参りたいなと思いますけど。 まずは監督、普段はCMなどでもご活躍をされていらっしゃいまして、今回は長編の第1作目監督ということなんですけれども、ようやく今日こうして初日を迎えましたご感想を率直に、うかがえますか?まずは。

監督: まぁ本当感無量というのがもう第一声です、ええ。 実は5年前に舞台の方を見まして、それから5年かかって、ようやくこの日を迎えることが出来ました、ハイ。

司会: はい、今回この映画、もうすごく個性が強いキャラクターがたくさん出て来るんですけれども、どのようにキャスティングを進められて行ったかうかがってもよろしいですか?

監督: いや今日本当、こうやって舞台挨拶ということで、久々に皆さんに会ったときに、まぁ今日はもうバシっとキメてらっしゃるんでね、かっこいい。 で、先ほど(渋谷)は南野さん方女性陣もいて、本当にきれいな格好してて

ユースケ: ここ(脇)までね、ばっくり割れたドレス姿で、ノーブラ、ノーパンでもう大変でしたよね。

監督: (笑)そんなことはないですけど、久々に会ってですね、いやまぁ、ねぇ、何をやってしまったんだろう?俺はって気持ちもちょっとしましたけどね、ええ。 本当に、浅野さんに限ってはね、とんでもない、今皆さんもうご覧いただいたと思いますけど、和田アキ子さんか!?っていうくらいの髪型にしてもらってるわけですね、本当に

ユースケ: 新境地ですよね。

監督: 新境地に。 ただ、同い年なんですよね、浅野さんとは、それで何か一緒に面白いこと出来たらっていうことですかね。

ユースケ: 信じられないことに、僕、一番年上ですからね、この中で。 精神年齢的には一番下な感じでね、兄貴!って感じなんですけど、僕が一番年上なの、今気付きました。

監督: あれ?北村さんよりもそうでしたっけ?

ユースケ: 北村さんが僕の1個上なんです。 だからこの中では。

監督 あぁ、そうですね。

ユースケ: これは大変なことになっちゃったなぁ。 このことはご内密にお願いします。 本当にびっくり。

司会: でも同世代の監督や出演者がたくさん今回はいたということで、現場もとても和気あいあいとされていたというふうにうかがいましたけれども、浅野さん、現場の雰囲気はいかがでしたでしょうか?

ユースケ: 言ってやってよ。

浅野: まぁこの通り、はい、ユースケさんが盛り上げてくださって、本当に楽しい現場でしたね。 けっして楽な現場ではなかったんですけどね。 その夏ですし、暑いですし。 それでまぁ歌舞伎町でバーのシーンなんかは撮ってたんですけど、一日中バーの中にいると、朝なのか夜なのかもうわからなくて、ずっとそれで撮影してますから、けっこう空気も悪かったりして。 でもそれでもみんな何か良い雰囲気でずっと撮影進んでて、本当にそれが何か救いになってましたね、はい。

司会: 監督からは、今回凸やんは子供で、ピュアな子供でいて欲しいというような演出があったとうかがったんですけれども、それをどのように解釈されて、浅野さんは演じられたんでしょうか?

浅野: そうですね、だからまぁその子供のような感じっていうのももちろん頭には入れていたんですけども、なるべくその普段だったら選ばない方を選ぶというか、まぁこっちを選べば当たりさわりのない、まぁ普通に暮してる人でもありえるかなっていうようなお芝居だとしたら、こっちだったら、もしかしたらつまんないかもしれないとか、もしかしたら監督に怒られるかもしれないとかっていう、そういうイケナイ方、イケナイ方ばっかりを選ぶようにはしてましたけど、はい。

司会: なるほど。
ユースケさんもなかなかキャラクターが強い、今回役所でしたけれども、脚本、まず宮藤官九郎さんですね、書かれたの、台本を読んでみたとき、最初どのように思われましたか?

ユースケ: いやぁ、ちょっとね木刀で頭を叩き割られたようなね、そんな衝撃を受けましてね。 僕は舞台見てたんですよ、監督もそうだけれども。 だからそのときたぶんね、僕等(&監督)は一度出会ってたんだ。

監督: 本当ですか?

ユースケ: えぇ、一人すごく目立つね、短パンにタンクトップでローラースケートをね履いた変な人がいたんです。 それが今思えば監督だったんですね?

監督: (笑)そう...ですね。

ユースケ: 良いんですか? そんなわけないでしょ。

監督: そんなわけないですよね。 本当毎回、乗るべきなのか乗らないべきなのか。 今のは乗らなくて良いんですね? ハイ、すいません。

ユースケ: 僕も見てたんで、どんなのかっていうその匂いみたいのは知ってたのでね、これ絶対映画にしたら面白いと。 出演者も聞いたら、浅野君をはじめ、色んな素敵な方ばかりなので、これはもうぜひとも、二つ返事でやらしてくれと。 二つ返事じゃないけどね、やらしてくれってのは。 やる!というふうにね、即決いたしました。

司会: はい、二つ返事はそういう意味じゃないと思います。

ユースケ: そうですね。 二文字ってわけじゃないんですね。

司会: そうですね、はい。

ユースケ: そんな冷静な返ししなくても。

司会: いえいえ、ここは正しておこうかなと。

ユースケ: 急に恥ずかしくなって来た。 惨めですな。

司会: 失礼いたしました(笑)

ユースケ: こういうのを”とんだピエロ”って言うんだよ。 そうですね、二文字っていう意味じゃないですね。 すいません、忘れてください。

司会: 今回ユースケさん、まぁ言っちゃなんですが、腰巾着のような警官で

ユースケ: そう、言っちゃあなんですが腰巾着だなんて、けっこうずどーん!と来ますね。 でもね、確かに本当そういうちゃらんぽらんのね、金魚の糞みたいな、江田っちっていうのが、北村さんのやったね役のね、彼にいつもくっついてるっていう役なんですけども、でもね、そんな奴でもこう色々心の中に闇を抱えていたりとかね、結局一緒だなって。 人間ってそういうとこあるじゃないですか、そういうのを、だから演じられるってことでね、この撮影に入るために20キロの減量と、あと体脂肪も3%まで落としたりして、プールに浮かないんですよね、3%って

司会: じゃあもうずいぶんリバウンドを今日はされた?

ユースケ: 普通に戻りました。 今も痩せてるんですけどね。 それで何とかね...俺は一体何を言ってるんだ!? ちゃんとしたこと一つも言ってないような気がするんですけど。

司会: じゃ、ちょっと映画の話に戻りましょうか。

ユースケ: 映画の話に戻りましょう!

司会: 皆様は今日はもう映画見ていただいた後のお客様ですので、それぞれですね、出演者のお二人、自分が一番、ここのシーンお勧めですよ、気に入ってたんですよというところを、もし一つ挙げていただくとしたら

ユースケ: 浅野さん、じゃあ、さっき散々言ってたあの話を。

浅野: いえいえ、何も言ってないです。 そうですね、あの、気付かれてるかどうかもわからないんですけれども、僕はその普段俳優やっててですね、けっして雨男ではないんですけど、この映画の撮影に限っては、もう雨男なんです。

ユースケ: すごかった。

浅野: ですから、もしかしたら気付いてくださった方もいるかもしれないですけど、今回は大体表にいるときは雨なんです。

司会: へぇー。

浅野: ええ、あれはもう映画だと”雨降らし”っていって、放水車なんかを呼んで、わざわざ雨降らしたりするんですけど、そういうこと一切やらずに、自然の雨で、全部。

ユースケ: それもあの、土砂降りみたいなね、すごい雨なのね。

浅野: 本当にそうなんです。 けっこうな雨が降っちゃうんですよ。

ユースケ: あの弓取り式のシーンとかのすごい雨、本物ですよ。

浅野: そうですね、お相撲さんとの。 

司会: へぇー。

浅野: 僕が土俵に立つと雨が降って来ちゃって。

ユースケ: 引っ込むとちょっと小雨になったりね。

浅野: そうなんですよね。

監督: あの親方の方とね、セッティングが同じだったんで、先に親方を撮ってたんですよね。 そのときはけっこう良い天気だったんですよね。 で午後になって、浅野さんが入った瞬間に雨が降り出して。

浅野: ハイ。

監督: 本当に、そのスタンスも含めてね、作ってる側はね、ちょっといい加減にしてくれないかなみたいな。 どんだけ鈍いんだ!?みたいな感じの記憶してます。

ユースケ: このまま行っちゃおう!みたいなね、撮りましたけど。

司会: なるほど。
ユースケさんはいかがでしたでしょう?

ユースケ: 僕もね、色々ありますけど、今浅野君がそのシーンのこと言ったんで、弓取り式のところで、横綱がこうやってるのを、北村さんがまわし一丁で応援してて、その後ろで僕もいか焼き持って、わーっ!ってやってるシーンがあるんですけど、そのとき北村さんが僕にね「ユースケ、俺、*門見えてない?」ってすごく気にしてたのを
ピ〜〜〜ッ
  (笑)何?今のハウリングは。 *門っつうた途端にハウリングが

司会: 放送出来ないかと思って

ユースケ: 言っちゃだめだって?

司会: ハウリングちょっと入れちゃいました、すいません。

ユースケ: だからけっこう、マジまわしなんですよね、本気のまわしをこう着けてて。 北村さん「全然大丈夫よ!」とか言ってたんだけど、実はちょっと恥ずかしがっててね、かわいいなと思いましたけどね。 見えてない、見えてないとかいいながら、本当に見えてなかったけどね。

司会: 良かったです。

ユースケ: 後はでもやっぱ全部、全部印象に残ってるけれども、やっぱり僕はこうちゃらんぽらんだけでなくてシリアスにね、最後のあの線路の上のシーン

司会: はい、鉄橋の上のシーン。

ユースケ: あれはもう何かね、触れ合ったというか、心の○EXしたというかね

浅野: イヤイヤイヤ。 さっきから何かちょっとアブナイ。 控え室でも同性愛の方の

ユースケ: さっき控え室で僕がアブナイ話ばかりしてたからね。 でもね本当に、何て言うんでしょう?がっつりやれてね、良い夏の思い出が出来たというかね、本当に楽しい撮影でした。

司会: ユースケさんなりに、この最後の鉄橋のシーンはどういう思いを込められて、俳優ユースケ・サンタマリアとして演じられたんですか?

ユースケ: あそこはですね、撮影に入る前に僕は「少年メリケンサック」っていうのを撮ってたときに、監督が陣中見舞いに来てくれたんですよ。 そこで

 監:「ユースケさん、今度はよろしくお願いします、鈍獣。」
 ユ:「あ!監督、はじめまして、よろしくお願いします。」
 監:「あのシーン頼みますよ。」

って言ってね、変なプレッシャーかけて、俺はあのシーンきっちり撮りたいんだとか言うんですよ。 で、いざ撮って、見たらけっこう切ってたんです。 あれ?あれだけ撮って、何だか短くなっちゃったなみたいな。 でもそれが正解だったんです。 本当はもっと僕、凸やんと色々おしゃべりしてるんです、最初。 そうですね?

浅野: そうですね。

ユースケ: そこがばっさり切られてたんです。

司会: あら。

司会: でもすごく核心を突いてる良いシーンになった。

司会: クライマックスでしたよね、あそこが。

ユースケ: これクレームつけてるんじゃないですよ、監督。

監督: いや、全然覚えてない。

ユースケ: 覚えてない!? でもあれが完成形です。 それが正解でしたね。

監督: 切っちゃいました。

ユースケ: まぁ、切るのは当然ですからね。 全部使ってたら大変なことになっちゃうから。

司会: はい、ということでね、色々と楽しいお話をうかがって参りましたけれども、そろそろ早くも

ユースケ: お客様が皆さん眠そうな顔になって来ましたね。

司会: 大丈夫ですよ。 そろそろですね名残惜しいんですが、お時間と

ユースケ: もう?

司会: はい、もうちょっとやる?

ユースケ: やりたいけど

司会: 私はイケるけど。

ユースケ: 急に彼女みたいな何かね、嫌いじゃないぜ。

司会: チッタさんのね、ご都合もありますから。

ユースケ: そうなんですよ、次もまたちょっと行かないといけないんで、すいません皆さん。 本当はみんなでトークセッションみたいな質疑応答とかしたいけど。

司会: それではですね、公開初日にこうしてたくさんの皆様にお集まりをいただきましたので、今日集まった皆様へ向けてのメッセージを最後にお願いしたいと思います。 浅野さんから。

ユースケ: お願いします。

浅野: そうですね、もう本当にこうして初日を迎えられて、本当に僕も幸せです。 そして、こんなにたくさんの方に見ていただけて、これからもこういうふうにたくさんの人に見てもらえるように僕も頑張りますので、もしもお友達とかいましたら、そういう方にも勧めていただけると嬉しいです。 今日は本当にありがとうございました。

司会: ユースケさん、お願いいたします。

ユースケ: とにかくね、以下同文と言いましょうか、僕の言いたいことはすべて浅野君が言ってしまいました。 え、余談ではありますけれども、私が初監督いたしました「おっぱいバレー」の方もよろしくお願いいたします。 今日は本当にありがとうございました。

司会: ありがとうございました。
最後に監督、お一言ご挨拶をお願いいたします。

監督: こういう強い絆でですね作った、絆な映画なんで。 どうしても世の中わかり易く答えが出ることが多過ぎるような気がするんですね。 でまぁ、今見られたばかりで、色々頭の中で考えたりだとか、色々感じたことがあると思うので、それをぜひ持ち帰ってですね、もし一緒に来られてる人がいるんであれば、一緒に話してくれたら嬉しいです、はい。 

ユースケ: その意見をね、tadanobu.comまで送って欲しいですね。

監督: 送って欲しいです。

浅野: ないです(笑)

ユースケ: ないんですか。

司会: はい、ありがとうございました。
それでは以上をもちまして、本日の舞台挨拶を終了とさせていただきたいと思います。


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更新:2009.05.21(木)
Kaori